MTアリ! アンダー130万円のスズキ「快速“軽”ワゴン」!? なぜ「絶滅危惧種」MT残した? 激レアな「ワゴンR」とは
国産乗用車のなかで急速に姿を消しつつあるMT(マニュアルトランスミッション)仕様車ですが、スポーツカーではない軽の実用的なハイトワゴンに、希少な5速MT仕様が残っていました。
MT設定が残っている軽乗用車はもはや「激レア」な存在に
現在、国内で買えるMT(マニュアルトランスミッション)車といえばごく一部のスポーツカーばかりで、実用的な乗用車に設定が残るケースは大幅に減ってしまいました。
しかし軽ハイトワゴンの代表格であるスズキ「ワゴンR」には、いまも5速MT仕様がしっかり残されています。
1993年にデビューしたスズキの基幹を支える軽ハイトワゴン車のワゴンRは、2017年2月にモデルチェンジした現行型で6代目です。
室内空間を拡大し使い勝手も向上させるとともに、ユーザーの価値観に合わせた3つ(発売当時)の個性を持つ外観デザインを設定しました。
そして2017年8月には、5速MT車が追加設定されています。
当時スズキでは、貴重なMT車設定の理由について、次のように説明しています。
「ワゴンRの5MT車は、MT車を必要とされるお客様に向けて追加したもので、お求めやすい価格設定としたほか、全10色の豊富な車体色を設定し、幅広い年代の多様なお客様のニーズにきめ細かく応えています」
その後、2022年8月に実施したマイナーチェンジで、精悍なスタイルの新シリーズ「ワゴンR カスタムZ」を追加したほか、標準タイプの外装デザインなども変更しています。
一部のクルマ好きの間では、5速MTモデルの去就が注目されましたが、マイナーチェンジ後も継続したことで、SNSなどでは安堵の声などが見られました。
そしてマイナーチェンジを機に、MT車の仕様が向上した点も注目されます。
それまで5速MT車の設定は最廉価版「FA」グレードのみでしたが、マイナーチェンジでFA自体が廃止され、中間グレードの「FX」に5速MTの設定が移行したのです。
新型では装備面の充実に加え、FAグレードにはなかったタコメーター(回転計)が装備されています。
よりダイレクトにクルマの運転を楽しみたいMT派にとって、エンジン回転にあわせ自らの意思でシフトチェンジする楽しみも増えたといえ、うれしい進化となりました。
なお2023年9月現在、国内5ナンバー軽乗用車におけるMT車の設定は、オープンスポーツカーのダイハツ「コペン」と四輪駆動車のスズキ「ジムニー」を除くと、このワゴンRが唯一の存在となります。
スズキ広報部によると、ワゴンRのMT車比率は約1割弱(ワゴンRスマイルを除いたシリーズ中の割合)だといいます。
いっぽうジムニーについては、MT車が約2割とのことです。
実用車の貴重なMT仕様に、今なお一定の需要があることがわかります。
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ワゴンR FX 5速MT車の消費税込み価格は、2WDが121万7700円、4WDが134万900円です。
クルマの価格が年々高騰していくなか、130万円以下という廉価な設定も貴重といえます。
なおワゴンRのOEMモデルであるマツダ「フレア」は全車CVT設定で、5速MTの設定は用意されていません。
N-ONE RSにもMT設定あるが。