モータースポーツ界注目の日本人ドライバー! 勝田貴元選手ってどんな人? 世界で活躍するトップ選手の生い立ちとは?

TOYOTA GAZOO Racing(TGR)ワールドラリーチームに所属している勝田貴元選手は、どのような人物なのでしょうか。

ラリー界注目の日本人トップドライバー 勝田貴元選手とは

 TOYOTA GAZOO Racing(TGR)ワールドラリーチームに所属している勝田貴元選手は、昨年に引き続いて「ラリージャパン」をはじめ、WRC(FIA世界ラリー選手権)での活躍が期待されています。
 
 今シーズンの第9戦では総合3位を獲得するなど、モータースポーツ界では注目の若手選手ですが、一体どのような人物なのでしょうか。

愛知県長久手市出身の勝田貴元(かつた たかもと)選手
愛知県長久手市出身の勝田貴元(かつた たかもと)選手

 モータースポーツのなかでももっとも過酷ともいえるラリー競技は、屈指の人気を誇っています。

 その世界大会であるWRCで注目の的ともいえる選手が、トヨタのラリートップチームTGRワールドラリーチームに所属している日本人ドライバー、勝田貴元選手です。

 2022年、12年ぶりに日本で開催されたWRC日本大会「ラリージャパン」では総合3位で表彰台に立ち、2022年シーズンのドライバー選手権5位を獲得。さらに2023年シーズン第9戦「ラリー・フィンランド」でも総合3位を獲得するなど、その活躍ぶりはモータースポーツファンからは外せない存在です。

 そんな勝田選手ですが、1993年3月に愛知県長久手市で産まれました。

 国内ラリーのパイオニア的存在ともいえる祖父・勝田照夫氏と、全日本ラリー参戦経験のある父・勝田範彦氏を持つラリー一家に生まれました。

「もともと、祖父(勝田照夫氏)がやっているチューニングショップがあり、物心がついたころからクルマがそばにありました。

 なので、スポーツカーとか競技車両、ラリー競技は近くにあった環境で育ちました。本当に小さい頃からクルマは好きでした」

 そうした環境で育ったことから、クルマは身近だったようですが、実はもともとラリードライバーになることは目指していなかったといいます。当時はどんなことに夢中だったのでしょうか。

「最初幼稚園から小学校中学年にかけてはBMX(自転車競技)に熱中していて、小学校高学年では部活でサッカーをやっていたので、元はサッカー少年でしたね。

 クルマは好きだったんですが、免許取ったらクルマに乗ってお父さんみたいなことをするのかな?くらい、(ラリードライバーが)夢で絶対になるとか全く思っていなくて。それよりも自転車やサッカーに夢中でした」

 クルマに興味がある「サッカー&BMX少年」時代を過ごした勝田選手。では、モータースポーツに目覚めたきっかけは何だったのでしょうか。

「モータースポーツのキャリアはレーシングカートからスタートしました。はじめたのは12歳、小学校6年生の頃なんですね。

 たまたま父(勝田範彦氏)が友人と乗ってきたレーシングカートが子どもも乗れるということではじめてその存在を知りました。

(遊具の)ゴーカートには乗ったこともあるんですけど、レーシングカートに1回乗ったらずっと乗っていたいと思うくらい本当に楽しくて。そこから熱中して『カートって走るだけじゃなくレースがあるんだよ』っていうところを知りました」

 モータースポーツ界では、幼少期から一流ドライバーを目標に掲げ、カートに乗って技術を学んでいくのは一般的ともいますが、勝田選手は少し違っていました。

「実をいうと(モータースポーツ)業界のなかで(カートを始めたこと)は結構遅いほうで、F1を目指す子とかはもう3歳とか4歳から乗っているとか、早い歳から始めるんですけど、僕は小学校6年生のときにたまたま始めただけでした。

 ただ、出るからには勝ちたいとか、そういう思いが強くなって、そこからどっぷり浸かっていきましたね」

幼少期の勝田選手はクルマやモータースポーツが身近だった(画像:勝田貴元公式X(@TakamotoKatsuta)より)
幼少期の勝田選手はクルマやモータースポーツが身近だった(画像:勝田貴元公式X(@TakamotoKatsuta)より)

 元々サッカーやBMXでも「負けず嫌い」の性格が人一倍強かった勝田選手は、カートの世界でもその性格をフルに出し切っていきます。

「カート始めて2年くらいのときはもう本格的にやっていて、全日本ジュニア選手権というカテゴリに出場していたんですが、その頃になっても正直プロのレーシングドライバーになるっていう意識はあまりなかったです。

 とにかく眼の前の試合とかレースに優勝する、とにかく勝ちたいっていう気持ちばっかりだったので、同年代のドライバーのように将来目指しているという感じではなかったです」

 しかし、思春期ごろから徐々にプロへの意識も向き始めたといいます。

「結果的には15歳くらいで(モータースポーツ活動を)支援してくれる色々なスカラーシップがあって、そこで自分の将来を考えるようになり、ちょっとずつ何やりたいのか、そのために何をすべきなのかなということを考え始め、目標も見えてきました。

 カートを始めて、プロを意識しはじめてからはF1とかGTとか、スーパーフォーミュラとかレースのことを考えていましたが、それでもまだラリーのことは視野に入っていなくて、とにかくレース1本でした。

 なので、祖父とか父に『ラリーいつやるのか?』とかいわれても、『多分やらない。1回やってみたいけど、(ラリードライバーではなく)レーシングドライバーでプロになりたい』ということを当時言っていましたね」

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