まさに「センチュリーミニバン」! トヨタ「ハイエース」の最上級モデル「プラチナム ラウンジ」!? 超豪華”白”内装の「ナイト エクスクルーシブ ワゴン」とは
モーターショーなど、世界各国で開かれる自動車イベントでは様々なコンセプトカーや、新型車が発表され話題となります。なかでも2015年に開催された第44回「東京モーターショー」でトヨタ車体のブースに展示された「ハイエース プラチナム ラウンジ」は、“超豪華”なハイエースとして話題になりました。どのようなモデルだったのでしょうか。
まるでセンチュリーミニバンな「ハイエース プラチナム ラウンジ」
トヨタの「ハイエース」といえば、その圧倒的な信頼性と使い勝手の良さでビジネスユースはもちろんのこと、レジャーの相棒としても高い評価を集めているモデルです。
現在日本で販売されている200系と呼ばれるモデルは2004年に登場しており、間もなく20年を迎える超長寿モデルではありますが、改良で先進安全装備を追加したり、ディーゼルモデルも尿素SCRシステムを採用して環境問題に対応したりと、たゆまぬ進化を続けているのも人気の要因と言えるでしょう。
そんなハイエースはカスタマイズのベースとして選ばれることも珍しくなく、デビュー直後からさまざまなカスタマイズモデルがメーカー、ショップ問わず多く生み出されてきました。

そんなカスタマイズモデルの中でも、2015年に開催された第44回「東京モーターショー」でトヨタ車体のブースに展示された「ハイエース プラチナム ラウンジ」は、メーカーが作るカスタマイズモデルの本気を見せつけるインパクト大の1台でした。
全長5410mm×全幅1920mm×全高2285mmという堂々のボディサイズは、ハイエースの中でも最も大きなボディを誇る、スーパーロングのワイドボディ、ハイルーフモデルがベースとなっていると想像できますが、エクステリアではハイエースの面影はボディのシルエット以外はほとんどありません。
特に前後は通常のハイエースとは大きく異なるものとなっており、横長のヘッドライトと大型のメッシュグリルを備えたフロントマスクや、横一文字のテールランプ、そしてボディ下部をシルバーに塗り分ける手法はトヨタの最高級ショーファードリブンである「センチュリー」を思わせるもの。
奇しくも2011年の東京モーターショーにセンチュリーの生産を手掛けるトヨタグループの関東自動車工業が展示した、現在の3代目センチュリーのコンセプトモデルの「FSハイブリッドコンセプト」に似た雰囲気をまとっていたのです。
細かいところでは、ボディパネルの継ぎ目やルーフに備わる雨どいなどもスムージングされ、高級車らしい漆黒のボディを引き立てる小技も盛り込まれていました。
インテリアに目を移すと、漆黒のボディとは正反対の白を基調とした上質な室内空間が広がっており、圧倒的に広い後席スペースには対面4座の大型キャプテンシートが贅沢に鎮座。
パーテーション部分には大型モニターが備わるほか、備え付けられたタブレット端末ではスライドドアの開閉やオーディオ、モニターなどの操作が可能な集中コントロール機能も備えている点は、先日発表された新型レクサスLMにも通ずる装備と言えるでしょう。
それ以外にも調光式大型天井照明や可動式テーブルといった実用的なアイテムはもちろんのこと、ワインセラーやコーヒーメーカーなども備わる室内は、“最大級の空間を贅沢に味わうナイト エクスクルーシブ ワゴン”というテーマに相応しい妖しさも兼ね備えていました。
あくまでコンセプトモデルということで乗り味までは分かりませんが、後席の快適性を高めたサスペンションチューニングが施されているとアナウンスされていました。
さらに展示車両の足元には、235/50R18サイズの横浜ゴム製のプレミアムコンフォートタイヤ「ADVAN dB(アドバンデシベル)」が装着されていて、静粛性に考慮している点もうかがえます。
結局このハイエース プラチナム ラウンジは市販されることはありませんでしたが、この車両を制作・展示したトヨタ車体は現在、トヨタのショーファードリブンミニバン「グランエース」の生産を担当しており、もしかしたらこのときのノウハウが活きているのかもしれませんね。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。

















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