クルマの「樹脂パーツ」の“白ボケ”なんとかしたい! なぜ白く劣化する? 新車のような“黒いツヤ”復活させる裏技とは
クルマのバンパーやモールディングの一部などに「樹脂パーツ」が使われていますが、扱いやすい反面、経年劣化によって白っぽく変色してしまうことがあります。そうなるとクルマが古ぼけて見えるのですが、黒々したとツヤを復活させることはできるのでしょうか。
未塗装樹脂パーツの「白ボケ」なんとかならない?
クルマのバンパーやモールディングの一部には、未塗装の「樹脂パーツ」が用いられています。
SUVなどではフェンダーアーチなどにも樹脂パーツが使われていますが、未塗装なので塗装面を気にする必要もなく、軽くて丈夫で扱いやすいというメリットがあります。
その一方で、経年によって白っぽく変色してしまう劣化がよく見られ、そんな「白ボケ」した状態ではクルマが急に古臭くなったように感じられてしまうものです。
できれば新車のような黒々した状態を長くキープしたいものですが、何か方法はあるのでしょうか。
もともとクルマには、バンパーなども含め数多くの鉄製パーツが使用されていました。丈夫さが取り柄でしたが、一方で重量増を引き起こす原因とされ、1980年代初期あたりから軽く成型もしやすい素材として「ポリプロピレン(PP)」と呼ばれるプラスチックの一種が用いられるようになりました。
ポリプロピレン素材はさまざまなプラスチックのなかでもっとも軽量かつ比較的強度も高く、熱を加えることで変形が可能。そのままの状態をキープする「可塑性(かそせい)」という性質を持っています。
そして安価に量産が可能であることから、現在ではクルマの樹脂パーツだけでなく、さまざまな製品に用いられています。
吸湿性がないため湿度による劣化も気にしなくて良いのですが、一方で染色しにくい(そのため基本的には黒やグレーなど単色のみ)、接着や印刷がしにくい(成型したパーツは基本ビス留め、下処理をしないと塗装がしにくい)、細かい傷が付きにくい代わりに紫外線によって劣化しやすいといった特性があるとされています。
そして無機質な黒一色では高級感を得られにくいため、現在では「シボ」と呼ばれる細かい凸凹加工が施されるようになったほか、それを逆手に取って、SUVやクロスオーバーモデルにあえて使用して、ワイルドさを演出するデザインの一部にもなっています。
そんな便利な樹脂パーツですが、ユーザーを悩ませるのが経年などによる白ボケです。正しくは「白化」と呼ばれる現象なのですが、実際はポリプロピレンの分子結合が徐々に破壊されて密度が低下した状態です。白く見えているのは、表面にできた細かいクラックだといいます。
クルマに樹脂パーツが多く使われるようになってから40年がたった現在、白ボケ対策としてさまざまなツヤ出し剤が販売されてきました。
ツヤ出し剤は主に「シリコンオイル」を原料として、界面活性剤や乳化剤などが配合されたもの。
カー用品店のスタッフD氏にも話を聞いてみたところ、ツヤ出し剤は安定した人気を誇るヒット商品だといいます。
手軽にシリコンコーティングできることから人気がある一方、数か月で効果が薄れてしまうため、頻繁に洗車する人やこまめにケアができる人にはお勧めだそうです。
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