クルマの「樹脂パーツ」の“白ボケ”なんとかしたい! なぜ白く劣化する? 新車のような“黒いツヤ”復活させる裏技とは
つや出し剤で解決しない樹脂パーツの白ボケ対策はある?
手っ取り早く黒々としたツヤを取り戻せるツヤ出し剤でも、白ボケがなかなか解消しない場合もあります。そんな場合は多少の荒療治が必要になりそうです。
整備士のI氏に聞いてみました。
「樹脂パーツを黒く復活させる方法はいくつかありますが、お金はかけたくないけれど労力は使えるという方には、『メラミンスポンジ』で表面を削ることで白化を解消することができる場合があります。いわゆる『ひと皮剥く』作業です」
塗装面であれば、研磨剤が入ったコンパウンドなどで表面を薄く削るのが一般的です。ただし未塗装の樹脂パーツはコンパウンドの使用はおすすめできないといいます。
「コンパウンドで磨くと、研磨で出てくるカスが表面のシボ加工に入り込んで余計に白っぽくなってしまうこともあります。
そこで、同じく表面を研磨できる上にカスが出にくいメラミンスポンジが有効です。
ただし、こちらも表面を削ることには変わりがないので、同じ箇所ばかりやり過ぎるとシボ加工が消えてしまうこともあり、注意が必要です」(I整備士)
現在では100円ショップでもメラミンスポンジが販売されており、安価で白ボケを解消させたい人には良いと思いますが、気をつけたいのが力加減です。
削り過ぎも良くありませんが、樹脂パーツごとに磨きムラを出さないように意識する必要があるのです。
しかも、メラミンスポンジは柔らかそうに見えるものの、実はかなりの硬度があるとされており、まずは目につきにくい下回りなどの樹脂パーツで試してみることをおすすめします。
「洗車で使用するボディ用コーティング剤は、樹脂パーツにもある程度の期間はコーティング効果が得られます。
とくに屋外に駐車している場合は、白ボケしていない状態の樹脂パーツに使用すれば、紫外線や酸性雨による劣化を抑制することができます。
まずはボディコーティングを塗布するときに樹脂パーツも一緒にコーティングすると良いでしょう」(I整備士)
さらに、プロならではの荒療治があります。それが可塑性の特性のひとつである熱可塑性を活用する方法で、ポリプロピレンは耐熱温度(140度)になることで成型できるため、再び耐熱温度まで温めることで樹脂が軟化して元の状態に戻ろうとする性質を活かすものです。
「熱を加える方法は非常に温度管理が難しく、ポリプロピレンは140度で軟化しますが、180度以上になると今度は融点(溶け出す温度)を迎えてしまい、シボ加工も消えてしまいます。
なので、一般の方はまずはメラミンスポンジで磨いてみて、それでも白ボケが解消できない場合などプロに相談するのが良いと思います」(I整備士)
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メラミンスポンジが樹脂パーツの白ボケ解消に役立つとは意外ですが、思った以上に強力(鉄並みに硬度がある)なので、慎重に作業することをお勧めします。
また白ボケが解消できたからといって、それで終了ではありません。目に見えないだけで実は研磨した細かい傷が残った状態なので、コーティングで表面を保護しておきましょう。
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