実は“日本一売れてる”!? トヨタ「ノア/ヴォクシー」なぜ“最強コスパ”? ライバルを寄せ付けない“理由”とは
なぜ、ノアやヴォクシーはこんなにコスパが高い?
現行型ノア/ヴォクシーがデビューした際に開発者にインタビューしたところ「遅れてフルモデルチェンジするライバルに勝てるように、トヨタとしても最新のものを積極的に搭載したから」という答えが返ってきました。
たとえばハンズオフ機能や、接近車両があると開かないスライドドアは、ノアやヴォクシーのように普及帯のモデルではなくアルファードやヴェルファイアなど高価な上位モデルから搭載するのが一般的です。
しかし、ノア/ヴォクシーではそのセオリーを無視して、「トヨタ初」として採用。しかも「それらを組み込むために最新の電子プラットフォームを搭載できるタイミングに新車開発スケジュールを合わせたので、新型のデビュー時期は当初の計画よりも半年ほど遅れた」といいます。
また、ハイブリッドシステムも通常であればトヨタにおいて最新版はハイブリッド先駆者に敬意を払って「プリウス」にまず搭載し、追ってほかの車種に展開というのが一般的と思われがちです。
しかし、新型ノア/ヴォクシーはそういった配慮はなく、「第5世代」と呼ぶ大幅進化版をプリウスに先駆けて初採用しました。
そういった、ヒエラルキーや社内事情を気にせず、とにかく魅力的なクルマを造ろうというどん欲な姿勢が、高い商品性につながったのは間違いないでしょう。それが高い人気となって表れているのです。
ところで生産の制約を反映した現在の新車登録台数は、人気をそのまま反映しているというよりも「作れた車両の数」という側面が通常よりも強くなっています。
実は、セレナやステップワゴンも受注は好調といいます。しかし、ノア/ヴォクシーの受注はさらにその上をいっていること、加えてトヨタの生産が抜きんでていることで、現在の「登録が好調な状態」になっていると考えられます。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
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