暑いのに…あれ? 車の「エアコン」効かない! 故障の原因はめちゃ複雑? 実は「ボタン」押し忘れのケースも

実は「故障」ではなかったケースも?

 エアコンの配管は非常に長く、熱交換のためのさまざまな機構が接続されています。

 特にエアコンガスが液体となった状態を噴出する部品(リキッドタンク)があるのですが、ゴミや「オイルファウリング」と呼ばれる内部の汚れなどが目詰まりしてしまうことも。当然ながらガスが循環されないので、冷たい風は出てこなくなります。

「この場合でも、単純に配管の目詰まりなのか、エバポレーター(熱交換器)の凍結が原因なのかによっても対処法は変わってきます。

 これにはエアコンガスを圧縮するコンプレッサーや温度センサーであるサーミスタの故障、コンプレッサーのオンとオフを切り替えるマグネットクラッチの断線など複合的な要素が絡んでくることもあります。これによって修理箇所や修理時間が大きく変わってしまうんです」(T整備士)

 そのほか室内に風を送るブロワファンの故障やコンデンサー(放熱器)の不良など、とにかく故障が発生しそうな箇所はいくつもあるのだとか。

スイッチ類も確かめよう
スイッチ類も確かめよう

 そのほかにも考えられる原因としては、単純に内部配線の劣化などによるヒューズ切れのケースや、室内のコントロールパネルの不具合によるものもあるのだといいます。

「今やオートエアコンが標準化されるケースも多く、意外にコントロールパネルの故障が原因なんてこともあります。

 特に今夏は気温が非常に高いこともあって、エアコンが効かないと相談にくるケースが増えています。

 エアコンの効きが悪いと熱中症のリスクだけでなく、集中力の低下によるさまざまな運転ミスなども増えてしまうので、十分に効きを確保できるように日頃のメンテも欠かさないでいただきたいです」

 なお、正常なのにしばしば故障と勘違いされるケースがあるそうです。T整備士は以下のように話します。

「エアコンは常時走行してはじめて十分に効くように設計されているので、効きが悪いからといって、すぐに故障ともいい切れないのです。

 たとえば、渋滞に巻き込まれると効きが悪くなることが多々ありますが、これはコンデンサーに当たる風量が減り、十分な冷却効果が得られなくなってしまうから。

 またアイドリングストップ機能が作動している場合も、信号待ちや渋滞でエンジンが休止してしまえばコンプレッサーが止まってしまうこともあります。そうすると送風に切り替わってしまうため、効きが悪いと感じてしまうこともあります」

 渋滞を抜けて走行し出すとエアコンの効きが改善する場合は、上記がほぼ原因と考えられ、この場合は故障ではないといえそうです。

※ ※ ※

 クルマに乗っていても熱中症のリスクがある真夏では、自分の健康を考えてもクルマのエアコンに不具合が出ないように日頃のメンテナンスも意識しておきたいところです。

 もし不具合があれば放置せずに、早めに整備工場に相談しましょう。

 また、エアコンが効かないケースでは、意外にも「ACボタン」の押し忘れというケースもあります。

 ACではなく雪マークのクルマもありますが、いずれもコンプレッサーの電源ボタンを指しており、冷房や除湿機能を使用しても効かないと思った場合はこのスイッチが押された状態かを確認したほうがよいでしょう。

 一部の輸入車では「ECON」など、コンプレッサー「オフ」スイッチを設けている場合があるので、こちらが押されていないかもチェックしたほうが良さそうです。

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