”ミニバン”とは思えない!? トヨタ新型「アルファード/ヴェルファイア」の“乗り心地”だけじゃない“走り”の進化とは

先代モデルから進化したトヨタ新型「アルファード/ヴェルファイア」の走りとは

 走りの部分はどうでしょうか。今回新型アルファード/ヴェルファイア、共に様々なパワートレイン、グレード、駆動方式に乗ることができたので、もう少し突っ込んだ話をしていきたいと思います。

乗り味も圧倒的進化を遂げたトヨタ新型「アルファード」
乗り味も圧倒的進化を遂げたトヨタ新型「アルファード」

 まずはアルファード・エグゼクティブラウンジのハイブリッドFFです。パワートレインは一新されダイナミックフォースエンジンの2.5L-NA+THSIIの組み合わせです。

 先代は発進も加速も「ヨッコラショ」と1テンポ遅れるため、必要以上にアクセルを踏んでいましたが、新型は余裕すら感じるレベル。

 常用域はとにかく「静か!」の一言。実はエグゼクティブラウンジのみ高遮音ガラスが採用されており、ロードノイズや風切り音はもちろん、エンジンの存在もほぼ感じないレベルになっています。

 1/2列目間の会話明瞭度は非常に高く、2列目でナイショ話をしても確実にバレます。ただ、加速などでエンジンを3000rpm近く回すとダイナミックフォースエンジン特有の濁音のサウンドが耳につくのが残念な所。

 ここでヴェルファイアのエグゼクティブラウンジのハイブリッドFFに乗り換えます。するとアルファードで気になっていたエンジンノイズが抑えられています。

 パワートレインや遮音性能は同じなのになぜ。

 そんな印象を開発陣に伝えると「確かに乗り比べると違う事は、我々も確認しています。恐らく、ヴェルファイアのみに追加されたフロントパフォーマンスブレースが振動を抑える、もしくは振動の伝達経路を変えているのではないかと予想しています」と教えてくれました。

 フットワークはどうでしょうか。

 新型はアルファード/ヴェルファイア独自の“乗り味”が特徴の一つです。具体的にはスプリング/ダンパー/EPSのセットアップ、タイヤの違い(アルファード:17インチ、ヴェルファイア:19インチ)に加えて、ヴェルファイアは専用のボディ補強(フロントパフォーマンスブレース)まで行なわれています。

 まずはアルファード/ヴェルファイア、両方に共通した走りの印象です。一言で表すと「普通になった」です。

 先代は真っすぐ走らないのに曲がりたがらないクルマで、ステアリングで強引に曲げる印象やある所から突然グラっと傾いてドキッとするような挙動などがありましたが、新型の直進時はビシーッと真っすぐ走るので修正舵は僅かだし、ステアリングを切るとノーズがスッと向きを変えフロントタイヤ依存ではなく4輪を効果的に使っての旋回は、クルマの一連の動きも自然で素直です。

 この印象はカローラやクラウンのそれとほぼ同じと言っていいレベルでしょう。その結果、クルマへの信頼・安心が段違いに高い上にクルマがドライバーの操作に対して意のままに動いてくれるので、筆者は「ドライビングプレジャー」を感じたほどです。

 つまり、トヨタ車共通の味「Confident(安心) & Natural(自然)」がミニバンでもシッカリと再現された走りなのです。

 更にリアに独立したモーターを搭載するハイブリッドE-Four(電動AWD)にも試乗しましたが、リアの駆動をトラクションだけでなく旋回にも活用しているため、より前後バランスに優れるコーナリングとコーナー脱出時の後ろからの蹴り出しなど、より安心感が高くなっています。

 ただ、FFよりも足の動きが僅かに渋い印象で、乗り心地の面では若干滑らかさが足りない感じも。と言っても、これは重箱の隅を突いた時の話で基本は同じ。そう考えると、非積雪地域でも積極的にE-Fourを選ぶ価値はあると思っています。

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