300馬力の爆速すぎる「最上級ミニバン」あった! 「超豪華内装」も採用した“走り屋”モデル「エリシオン」とは
ホンダのフラッグシップミニバンといえば2023年中にも復活予定の「オデッセイ」ですが、かつてはもうひとつのモデルが存在していました。
ホンダの元祖フラッグシップミニバンといえば「エリシオン」!
2023年中にも国内で復活するとアナウンスされている、ホンダのフラッグシップミニバン「オデッセイ」。今回導入する新型オデッセイは、中国で生産された車両を日本に輸入する形となりますが、中国ではオデッセイの兄弟車として「エリシオン」というモデルも存在しています。
このエリシオン、現在日本でのラインナップには存在しませんが、過去にはラインナップに名を連ねていた時代もありました。
初代エリシオンは、2004年5月に販売をスタート。前年の東京モーターショーに展示された「ASM」というコンセプトカーが元となっていますが、ほぼコンセプトカー時代のスタイルそのままでの登場となりました。
当時のオデッセイよりもひと回り大きなボディと両側スライドドアを備えた堂々としたスタイルは、言うまでもなく2002年に登場したトヨタ「アルファード」や、同年に2代目となった日産「エルグランド」などの高級ミニバンをライバルに見据えたもの。
エリシオン登場前にもホンダは「ラグレイト」という大型ミニバンを販売していましたが、これは北米向けのオデッセイを日本向けに仕立て直したモデルであり、全長5m、全幅1.9mを超える大柄なボディは日本の道路事情にはマッチせずに販売面では苦戦。
そのため実質的な後継車種であるエリシオンは、北米オデッセイをベースにすることなく、日本独自のモデルとして登場したという経緯があったのです。
そんなエリシオンは、ラグレイト時代にも存在していた(ただし排気量は3.5リッターから3リッターへ縮小)V型6気筒エンジンだけでなく、購入しやすい価格と使い勝手の良さを持った直列4気筒2.4リッターエンジンを設定。
インテリアも北米オデッセイベースであるため高級感に欠けていたラグレイトとは異なり、フラッグシップモデルらしい高級感のあるオシャレな仕上がりとなっていたほか、シートアレンジも豊富となり、2列目回転機構付シートを設定するなど、日本のユーザーに即した機能性を持つ点も特徴となっていました。
そして2006年12月に実施されたマイナーチェンジのタイミングでは、更なる上位モデルとして「エリシオン プレステージ」を追加設定。
このエリシオン プレステージは、シャープで切れ長のヘッドライトを持つエリシオンに対し、大型のヘッドライトと押し出し感のある大型グリルを備えたフロントマスクを採用していました。
そして心臓部には、当時のミニバンでは最高出力となる300PSを発生する(4WD車は279PS)3.5リッターV型6気筒のVTECエンジンを搭載。
それに合わせてホイールは18インチへ大径化を果たし、サスペンションにも専用チューニングを実施し、さらに大パワーに対応するように前後のサスペンション取り付け部には剛性アップを施すなど、ミニバンとは思えないチューニングもなされていたのです。
もちろんフラッグシップモデルとしての充実装備も抜かりなく、最上級グレードには衝突被害軽減ブレーキや車速/車間制御機能付きクルーズコントロールなど、当時としては最新鋭の先進装備も備わっていました。
ただこのクラスのミニバンを求める層には、そこまで高い動力性能を求めるユーザーは少なかったようで、2007年8月には早々にエリシオン プレステージにも2.4リッターエンジンモデルを追加するなど、やや迷走感もありました。
ホンダ車は好みではないが、VTECに関しては凄いと思う。