クルマの「パーキングブレーキ」作動させたままの「うっかり走行」に注意! そのまま走ってしまったらクルマはどうなる?
クルマに付いている「パーキングブレーキ」は駐車時に車体が動かないようにするための装置ですが、強い制動力ではないため軽くかかっている状態でも走行することが可能です。もしその状態でうっかり走らせてしまった場合、クルマはどうなってしまうのでしょうか。
「パーキングブレーキ」がかかったまま走行すると…!?
クルマに付いている「パーキングブレーキ」は、駐車時に車体が動かないようにするための装置です。
しかし、その制動力はフットブレーキを踏み込んだ際のような強い力ではないため、パーキングブレーキが軽くかかっている状態でもアクセルを踏めば走行することができてしまいます。
ではもし「パーキングブレーキかかっている状態」でうっかりクルマを走らせてしまった場合、車体には一体どのような影響があるのでしょうか。
そもそも、パーキングブレーキとは言っても大きく分けて4つのタイプに分類されます。
まず、運転席の脇にあるレバーを引くことでブレーキがかかる「レバー式(いわゆるサイドブレーキ)」と、運転席の足元から伸びたグリップを手前に引く「ステッキ式」。
また、足元の左側にあるペダルを踏み込む「足踏み式」や、近年ではスイッチでブレーキを操作する「電動式」があります。
いずれのタイプも、パーキングブレーキが作動すると「後輪のブレーキがかかった状態になる」という効果は変わらず、クリープ現象でクルマが進んだり、傾斜でクルマが勝手に動き出してしまうなどの、万が一の事態を防ぎます。
そんなパーキングブレーキがかかったまま走行した場合、多くの最新モデルでは車内に警告音が鳴るのと共に、メーターパネルに「P」マークの警告灯が点いたり「パーキングブレーキを解除してください」などの警告が表示され、誤ってブレーキをかけた状態で走らせることを防いでいます。
また、後輪に軽くブレーキがかかった状態のため、運転していても普段とは異なる加速感や振動、異音が生じます。
普通であればこの段階で多くの人がパーキングブレーキを解除していないことに気付きますが、もしも警告や違和感に気付かないまま走り続けてしまうととどうなってしまうのでしょうか。中古車ディーラーに勤める整備士に話を聞きました。
「短い距離であれば、パーキングブレーキをかけたまま走行してしまっても大きな影響はありません。落ち着いて停車し、あらためてパーキングブレーキを解除してください。
ただし、パーキングブレーキをかけたまま長い距離を走行すると、ブレーキに強い負荷がかかり続けたことによってブレーキが使えなくなったり、ブレーキオイルに異常が生じたりすることがあります。
そのため、うっかりパーキングブレーキをかけたまま長時間走行してしまった際は、万が一に備えてディーラーや修理工場に相談し、車両の点検を受けてください(中古車ディーラーの整備士)」
このように、パーキングブレーキに負担をかけて異常が生じたまま放置すると、ブレーキが効かなくなくなるなど大惨事につながる可能性があるということでしたので、そのような場合は必ずブレーキに異常がないか確認してもらいましょう。
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最近採用車種の増えている電動式のパーキングブレーキは、シフトポジションと連動して作動する仕組みとなっているものが大半となっており、ギアを「D」に入れると自動的にパーキングブレーキが解除されるため、基本的にパーキングブレーキの解除忘れは起こらないといいます。
その一方で、旧来の「レバー式」や「足踏み式」「ステッキ式」のパーキングブレーキは解除するのを忘れたままでも走行が可能ですので、くれぐれも解除忘れに用心して発進するよう注意してください。