FCVは「終わったクルマ」じゃない!? トヨタとBMWが共同で進める戦略は? 今後さらに加速する要因とは

水素戦略は消費量&様々な技術展開がカギとなる?

 このうち、燃料電池車について、クルマの種類別で年間水素消費量の比較した図表を公開。

 これは、「燃料消費量×走行距離」から割り出した数字を基に算出しています。

 それによると乗用車「MIRAI」を基準として「1」と仮定し、小型トラックでは19倍、大型バスで30倍、国内向けの25トン級の大型トラックで62倍、さらに欧米での44トン級の大型トラックになると実に119倍という大きな消費の差になることがひと目で分かりました。

 これを見て「やっぱり商用車優先で、乗用車は後回しなのか?」という考えを持つ人もいるでしょう。

 しかし、けっして「後回し」ではなく、これまでトヨタや培ってきた燃料電池車の技術をより多くの商用車によってリアルワールドで利活用すること。

 それが、今後の乗用燃料電池車の技術の進化と、量産効果による車両価格や水素価格のコスト削減につながると言えます。

 トヨタとしては、MIRAIの燃料電池システムで開発してきた各種技術や構成機器や部品を、大型トラックはもとより、鉄道、フォークリフト、船舶、定置型電池などにモジュール化することで、水素を使う社会を広げていく構えなようです。

 こうしたトヨタの取り組みと、BMWのカーボンニュートラル戦略が上手く連携している例が今回のモデルと言えます。

 具体的には、初代「MIRAI」の燃料電池技術を、「5シリーズGT」での燃料電池車に採用。

 そして今回の「iX5ハイドロジェン」では2代目「MIRAI」の技術がベースとなっています。

クルマの種類別で年間水素消費量の比較した図表
クルマの種類別で年間水素消費量の比較した図表

 今後、トヨタは2026年の量産を目指す第3世代燃料電池の量産開発を進めているところです。

 BMWとしては、先に紹介したように「iX5ハイドロジェン」を「パイロット・ヴィークル」としており、2020年後半には様々な乗用燃料電池車の量産を考慮しています。

 つまり、それら次世代BMW燃料電池車には、トヨタの第3世代燃料電池が搭載される可能性が高いかもしれません。

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1件のコメント

  1. FCVはおわった車じゃない。始まってもいない車だ。
    トヨタが利益を全てはき出して、マスクが私財を投げ打ってまで、電気自動車とそのインフラを整えたように、水素ステーションを自前で会社をつぶすくらいの勢いで整備したら成功していただろう。ケチ臭く、税金に頼ったり、人任せにインフラ整備をさせて自分は車を売るだけで儲けようとする車屋根性だから、スタートラインに立てていないだけ。残念なことだ。

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