車の「サイドバイザー」何のため!? 禁煙者増え“不要”説も? 実は「羽根のない扇風機」の原理で「急速換気」する超・優れモノだった?

クルマの純正アクセサリーとして根強い人気を誇る「サイドバイザー」も、近年は禁煙派が増えたこともあって装着率が減っているといいます。しかし装着することで、換気効率を高める効果があるといいます。どういうことでしょうか。

サイドバイザーは「不要派」と「欲しい派」が大きく分かれる

 クルマのサイドウインドウの上端に沿って取り付ける「サイドバイザー」は、かつて多くの国産車にオプション装着されていましたが、近年は装着率が減少しているといいます。
 
 そんなサイドバイザーが果たす役割は、意外にも大きなものでした。どのような機能と効果が得られるのでしょうか。

「不要」? それとも「必要」!? クルマのサイドバイザーの是非を問うと、意見は真っ二つにわかれるようです[画像はイメージです]
「不要」? それとも「必要」!? クルマのサイドバイザーの是非を問うと、意見は真っ二つにわかれるようです[画像はイメージです]

 サイドバイザーは一般的に「雨の日に、喫煙者が車内でタバコを吸うときに必要なもの」「雨の日に、コインパーキングの出入り口でお金を支払う際に、若干濡れにくくなる」という役割が挙げられます。

 首都圏のとある国産メーカーの販売店スタッフに聞くと、次のように説明します。

「サイドバイザーは、10年以上前には新車購入時に多くの方が選択していたようですが、近年はコストを抑えたいという方も多く、また喫煙者が減っていることもあって、装着率は大きく減っています」

 このように、選択する人が減っているサイドバイザーですが、実は「換気効率が大幅に向上する」という役割もあることはあまり知られていません。

 これは、走行時の風圧を利用した流体力学のメカニズムに基づくものです。

 走行中にサイドガラスを少しだけ開けておくと、クルマの前方からサイドバイザーに向かって流れてきた空気が、サイドバイザー内側の空気を巻き取るようにします。

 これが後方へ移動することで、車室内の空気が隙間から吸い上げられるようになり、強制的に換気が促されるのです。

 実際に、ドアバイザー付きのクルマでサイドガラスの隙間の近くに手を当てると、結構な勢いで空気が吸い上げられているのが分かります。

 実はこれ、ダイソンの羽根のない扇風機「エアマルチプライアー」でも同じメカニズム原理を用いています。

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