狭くて急カーブの続く現道をバイパス

　国道168号の「阪本工区」が2023年度に開通する見通しです。この区間は将来、奈良県や紀伊半島の南北軸となる「五條新宮道路」の一部を構成することになりますが、どのような事業なのでしょうか。

　奈良県は2023年7月19日、県内道路の今年度供用予定箇所として7か所を公表しました。

　そのうちの1つである国道168号阪本工区は、今後、紀伊半島の南北軸として機能を発揮していていく区間となります。

　国道168号は和歌山県新宮市を起点とし大阪府枚方市に至る延長約188kmの道路です。奈良県や紀伊半島の内陸山間部を南北に貫く重要な幹線であり、このうち新宮市から奈良県五條市までの区間は、地域高規格道路「五條新宮道路」として少しずつ整備が進んでいます。

　いくつか開通している区間もありますが、その中でも奈良県十津川村の七色高架橋は大規模な改良区間です。山岳部連続高架橋としては日本最大規模で、切り立った山肌に張り付くように造られた高架道路が約1.7kmにわたり続きます。

　阪本工区は、五條市大塔町阪本～大塔町小代間の現道約2.1km区間を約1.4kmに短縮し、橋とトンネルで結びます。

　現道は幅が5mほどと狭く見通しの悪い急カーブもある山道ですが、バイパスは幅8.5m（2車線）、設計速度60km／hで造られ急カーブも解消されます。

　開通により走行性や安全性の向上、防災や救急活動・観光産業への支援が期待されています。