「ビッグモーター」保険金不正請求は我々の自動車保険にも影響する!? 車所有者全てに波及する「深刻な事態」はあるのか

中古車販売大手の「ビッグモーター」が、自動車保険の保険金を不正に請求したとされる問題ですが、ビッグモーターとは関係ない第三者の自動車ユーザーが加入する自動車保険にも、影響はあるのでしょうか。

今回の影響で「保険が高くなる」「保険のクラスが下がる」ことはあるのか

 中古車販売大手の「ビッグモーター」が、車両修理にかかる自動車保険の保険金を損害保険会社へ不正に請求したとして、世間を騒がしています。
 
 国土交通省が聞き取り調査に動くなど、大きな問題に発展していますが、この件でビッグモーターとは関係ない第三者となる自動車ユーザーから「加入する自動車保険の保険額が上昇してしまうのでは」と心配する声が聞かれます。果たして影響はあるのでしょうか。

今回の騒動で「ビッグモーター」とは直接関係のない自動車ユーザーが加入する自動車保険にも、影響を及ぶことはあるのでしょうか[画像はイメージです]
今回の騒動で「ビッグモーター」とは直接関係のない自動車ユーザーが加入する自動車保険にも、影響を及ぶことはあるのでしょうか[画像はイメージです]

 ビッグモーターの保険不正請求についての報道など見ると、皆さん2つの点を指摘して憤っています。

 ビッグモーターで購入したユーザーが「翌年からの保険料クラスが下がり支払う金額が高くなるのでは」という点と、「自動車ユーザー全体の保険料が高くなるのでは」という点です。

 しかし任意保険の制度を知っている人なら、どちらも「なんで?」と思うことでしょう。

 どうやらメディア関係の皆さんはクルマに乗らないのか、任意保険ってひとつしか無いと考えているのでしょうか。

 例えば、自分のクルマでイメージしてください。自動車保険を使うケースは2つあります。

 1つめは、自損事故までカバー出来る「車両保険」に入っており、自分で運転して壊したり、雹(ひょう)害にあったクルマの修理をしてもらうケース。

 2つめは、追突などされて被害者になり、相手の保険会社にお金を出してもらうケースです。

 1と2では大きな違いがあります。

 1だと自分の加入した自動車保険を使うのに対し、2で使われるのは加害者側の自動車保険から支払われます。

 1のケースだと、当然ながら車両保険を使えば翌年からの等級は下がるため、保険金の支払いが増えます。

 これはビッグモーター以外であっても、等しく同じ仕組みで運用されています。

 ただ、修理金額による等級の差は基本的にはありません。

 仮に20万円かかる修理に対し、今回のビッグモーターの件で報じられているように修理工場側が14万円のノルマ分の修理代を上乗せしたことで、トータルの修理代が34万円になったとしても、等級は同じだけ下がることになります。

 また自分の保険を使う訳ですから、請求明細も出てきます。ブツけていなかった場所まで修理されていれば、誰だっておかしいと思うことでしょう。

 ただし、もしユーザー自身が修理工場と共謀した(あるいは事前に知っていて黙認した)と認められる場合は、また話が変わってくる可能性があるかもしれません。

 一方で、2の事故被害者のケースで使われる保険は、基本的に加害者側にあります。

 もちろん事故の状況によっても異なりますが、100%先方の責任である場合には、自分の保険等級が下がるようなことなどないのです。

 強いて言えば、相手側の保険等級に影響があるものの、これまた金額に関わらず、もちろん利用した修理工場や販売店がどこであろうと、保険を利用すれば等級はダウンします。

 ということを知っていれば「翌年からの等級が悪くなる」という報道内容は「論点がズレている」とわかることでしょう。

 自動車業界からすれば、最初から「メディアはナニを言ってるんだ?」という状態です。

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