トヨタ「ちょっと小さな高級ミニバン」に反響多数!? 「渋い」「悪くない」 丁度良い“5ナンバー”ボディ×「アルファードグリル」採用!? 「豪華内装」もイイ「エスクァイア」とは何だったのか

トヨタがかつて販売していた高級ミニバン「エスクァイア」について、SNSなどでは今でもさまざまなコメントが寄せられています。

小さな「アルファード」!? 手頃感は良かったが…

 豪華な内外装を持つ大型高級ミニバンは強い人気を持ちますが、ミドルサイズのボディを持つ高級ミニバンは近年あまり例がありません。
 
 しかし、かつてトヨタが販売していた「エスクァイア」はそうした数少ない「高級ミニバン」のミドルモデルでした。今でもSNSではさまざまなコメントが寄せられています。

トヨタ「エスクァイア」
トヨタ「エスクァイア」

 高級ミニバンは広い室内空間に多人数乗車を可能とし、しかも存在感のあるデザインや豪華な内装を持つことで、日常で少しだけ特別感や優越感を得られます。

 しかし、多くのモデルで全長は5m近く、全幅も1.8mを優に超えるなど、ラージサイズに分類されるため、取り回しの良さには欠けるというデメリットがあります。

 ミニバン市場では根強い人気を誇る高級ミニバンですが、実際には日常での使い勝手も考えて、トヨタ「ノア」「ヴォクシー」、日産「セレナ」などミドルサイズのモデルも支持される傾向にあります。

 いっぽう、こうした扱いやすいミドルサイズながら、豪華で存在感のある内外装を組み合わせたモデルは非常に少なく、高級ミニバンはラージのみ、普及価格のモデルはミドルサイズ以下、と明確にキャラクターが分かれています。

 しかし、実は3年前まで、「ミドルサイズの高級ミニバン」を打ち出したモデルが存在しました。それがトヨタ「エスクァイア」です。

 エスクァイアは2014年10月に発売。広い室内空間を追求した5ナンバークラスミニバンにワンランク上の高級感を付与し、「新上級コンパクトキャブワゴン」として登場しました。

 ベースはノア/ヴォクシーの先代モデル(3代目)で、ボディの多くやパワートレインなどは共通ですが、「高級車に、新たな選択肢。」をキーワードとし、高級モデルらしい専用内外装が与えられました。

 ボディサイズは全長4695mm×全幅1695mm×全高1825-1865mm、ホイールベースは2850mm。3ナンバーのエアロタイプを用意するノア/ヴォクシーとは異なり、全車5ナンバーとなっています。

 エクステリアは、バンパー下部まで延長し、存在感のある縦フィン形状とした大型メッキフロントグリルを採用。「アルファード」(先代)に迫る迫力を生み出しています。

 加えて、フォグランプベゼルやウインドウモールもメッキ化し、華やかなイメージを付与しました。

 フロントエンブレムは、車種の由来となった中世ヨーロッパの従騎士の盾と矛のほか、紳士のスーツ姿の襟元、さらには略称の「Esq」の文字をモチーフにするなど、細かい部分までノア/ヴォクシーとは差別化を図っています。

 インテリアはデザインを含め、大部分はノア/ヴォクシーと共通しているものの、質感を大幅に向上。

 インパネやドアトリムはステッチ入りの合成皮革張りとし、黒木目や金属調加飾なども組み合わせ、見た目や触感にもこだわったプレミアムな雰囲気を演出しました。

 シートは上級モデルで合成皮革素材を用い、内装カラーにはミニバンとしては異例の「バーガンディ」を設定。

 メーターやエアコンパネルは専用品で、ピアノブラックや金属調リングを備えるなど、高級車という説明にふさわしい設えを実現しました。

 パワートレインは2リッターガソリンと1.8リッターガソリンハイブリッドを用意し、駆動方式はFFのほか、2リッターモデルのみ4WDも設定しています。

 当時の価格(消費税込)は262万2857円から320万4000円。ノア/ヴォクシーよりも40万円程度高く、当初の取扱店は上級車種を扱う「トヨペット店」と「トヨタ店」で展開していました。

 2017年のマイナーチェンジでは、さらに堂々としたスタイルに変更。新たに設定された最上級パッケージ「Gi“Premium Package”」では、ブラウンレーザーライン加飾や、「ブランノーブ」素材の専用シート表皮などを備え、プレミアム路線を際立たせています。

 そんなエスクァイアですが、当初は好調な売れ行きを記録したものの、販売面では苦戦します。

 高級路線ということもあり、ハイヤーやタクシーなど法人需要をつかみましたが、車両価格に少しプラスすれば、アルファードのベースグレードが狙えたこともあり、一般ユーザーにはあまり響かず、敬遠されることに。

 さらに2020年、トヨタはクルマのキャラクターにあわせて展開していた販売チャンネル方式を廃止し、ノアやヴォクシーと同店舗で併売されることとなり、当初の特別感も薄れます。

 結局、2022年にノア・ヴォクシーのフルモデルチェンジされたタイミングでエスクァイアはラインナップから消滅し、約8年の販売にとどまりました。

※ ※ ※

 終売から2年以上が経過した現在、SNSなどではエスクァイアを評価している人もいるようで、「渋くて落ち着いてて良かった」「現役で乗ってるけど、悪くは無い」「エスクァイア、良い車って改めて思いました。新車が無くなって残念」と、現在もエスクァイアを気に入るオーナーからの声も寄せられています。

 また、「アルファードが高いからミニアルファードとして出してほしい」「もう一度出せば売れるのでは?」と、2023年に登場した現行アルファードがさらに高級路線へとシフトしたことを踏まえ、再びの登場を求める人もいるようです。

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3件のコメント

  1. アルファードグリル採用って、
    真似をしたのがアルファードですよ。
    こいつが出た時はまだアルファードは20型です。

  2. 良い車でした。10年22万走りました。途中ハイブリッドのバッテリーを交換とかしましたが、さすがにアチコチでガタが来て、この度売却しました。

  3. もう9年乗ってますけどデザインの古さ感じません!むしろ現行のミニバンより気に入ってます。合皮ですがシートも高級感あります。ナビ10.5インチデカイし燃費ハイブリットでリッター15。この車超えるの出ないとなかなか買い替え出来ません!

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