「ヘッドライト」が黄色く変色するのなぜ? 黄ばみ除去でNG行為がある!? 正しい手順とは?

ヘッドライトの明るさは、「くすみ」や「黄ばみ」にも影響されます。なぜヘッドライトは黄ばむのでしょうか。また、黄ばみを除去する方法はあるのでしょうか。

ヘッドライトが黄ばむ原因は紫外線だった!?

 夜間にクルマを運転するときに不可欠な「ヘッドライト」ですが、ヘッドライトのカバーがくすんだり黄ばんだりしているクルマを見かけることがあります。
 
 また、それが原因で光量不足になって車検に通らなくなることもあるといいます。

黄ばんだヘッドライトはクルマが古ぼけて見える原因に!
黄ばんだヘッドライトはクルマが古ぼけて見える原因に!

 ヘッドライトがくすんだり黄ばんだりしているとクルマが古ぼけたような印象を受けますが、ヘッドライトはなぜ変色してしまうのでしょうか。

 神奈川県のH整備士に詳しく聞いてみました。

「ヘッドライトカバーのくすみや黄ばみは、使用されているポリカーボネイト樹脂(PC樹脂)の経年劣化によるものです。

 PC樹脂は成形しやすく割れにくい反面、紫外線や湿度などに弱く、細かい傷がつきやすい特徴があります。

 とくに直射日光に含まれる紫外線などで表面に細かい傷ができ、その傷に汚れが溜まって黄ばんでいるように見えるのです」

「一方で表面がザラザラと傷ついて、くすみ状態になっているものもあります。あれはPC樹脂表面に塗布されたハードコート被膜が湿度や寒暖差、紫外線などで細かくひび割れた状態です。

 輸入車に多く見られる症状で、国産車ではあまり見かけないのですが、輸入車で使用されているコート剤が日本の気候に適していないからかもしれません」(H整備士)

 くすみも黄ばみも、経年劣化によってヘッドライトカバー表面に細かい傷が無数にできてしまった状態ということのようです。

 その対処法は、表面のハードコート被膜や細かい傷が消えるまで研磨し、再度コーティングすることだといいます。

「研磨するにしても手順が大切です。いきなり粗い目の耐水ペーパー(耐水性の紙やすり)などで研磨してしまうと全体が余計にくすんでしまうので注意が必要です。

 傷の深さを探りながら、コンパウンドや耐水ペーパーなどで徐々に研磨していくのが正しい手順です。

 そしてある程度の傷を目立たせなくできたあとは、しっかりと専用のコーティング剤で新たな皮膜を形成する必要があります」(H整備士)

 このあたりのサジ加減は非常に繊細かつ難しいので、プロに任せたほうが良いでしょう。最近ではこのヘッドライトのくすみ取りがポピュラーになっており、対応してくれる業者も増えています。

 もちろんDIYでできなくもないのですが、時間と労力を考えると、プロに頼むほうが手早くキレイに仕上がります。

 車検のためにわざわざ新品のヘッドライトユニットに交換する必要もないですし、クリアなヘッドライトであれば車検にも問題なく通るはず。

 車検が近づいている人は、早めにヘッドライトをクリアにしておくことをおすすめします。

※ ※ ※

 ヘッドライトに使用されるPC樹脂は紫外線に弱いので、磨いて新たにコーティングしたとしても劣化してしまうことがあります。

 直射日光を避けたいところですが、そもそも走行中に紫外線にさらされますし、駐車環境によっては難しい場合もあるでしょう。

 黄ばみの発生を少しでも遅らせるために、できる対策を地道におこなうしかないといえます。

 ヘッドライトは夜間走行に欠かせない装備なだけに、常に良好なコンディションをキープしたいものです。

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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