なぜ「新エンジン」生産を加速させた? ルノーと中国ジーリーが新会社を設立! 既に熱効率44%車も! いまエンジンに注目する理由とは
熱効率45%は当たり前の時代に… 日産も注力する新たなエンジン開発
ここ数年で中国メーカーによって開発された新エンジンはどれも熱効率40%超は当たり前の状況となっています。
またいくつかのメーカーではすでに45%超を達成しており、PHEVやレンジエクステンダー付きEV、HEVにこれらのエンジンを搭載することで燃費と航続距離の向上を図る形になります。
ジーリーも積極的に新エンジンを開発している中国メーカーのひとつであり、2023年3月には熱効率44.26%を達成した「BHE15 Plus」を発表。
そして立ち上げたばかりの新ブランド「ギャラクシー(銀河)」の第1弾モデル「L7」に搭載させています。
L7は2023年5月に発売され、発売33日後には累計1万台目のL7が工場からラインオフしました。
また、ジーリーは現在開発中の次世代エンジンで熱効率46%を達成したとも明かしており、近日中の市場への投入が期待されています。

エンジン開発におけるノウハウを蓄積している最中のジーリーがルノー・グループと提携することで、多くのメリットが期待できます。
例えば、日産は自社開発のシリーズ方式ハイブリッドシステム「e-POWER」専用エンジンの改良をおこなっています。
2021年2月26日に日産は次世代の「e-POWER」向け発電専用エンジンで、世界最高レベルの熱効率50%を実現する技術を発表していました。
エンジン開発に関する多くの技術を保有する日産がジーリーと手を組めば、お互いにとっての内燃機関におけるさらなる飛躍が期待できます。
一部では「エンジン開発は不要になる」と言われますが、実は「これからの時代」こそが新たなるエンジン開発時代の幕開けになるとも考えられます。
この新たな提携によって「BEV一辺倒」ではない、内燃機関も選択肢の一つとして残る未来が大きく期待できます。
新会社がエンジン業界の勢力図においてどのようにプレゼンスを発揮するかに注目です。
Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト
下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。





















