バンパーに隠れた「謎のライト」何に使う? 点けてもあまり明るくない…!? 路上では「誤った点灯」が横行!「正しい使い方」とは

クルマのフロントフェイスを見ると、ヘッドライトの下やバンパーなどに「小さめのライト」が埋め込まれているクルマを見かけます。この謎のライトは一体どういう時に使用するものなのでしょうか。

謎の小さなライトには「役割」があった!

 クルマのフロントフェイスを見ると、いわゆる「目」のような位置にあるのがヘッドライト(前照灯)で、これは夕方や夜間など道が暗くなった際に点灯することでクルマの前方を照らすとともに周囲に自車の存在を知らせる役割も持ちます。
 
 しかし、その下のバンパーにも「小さめのライト」が埋め込まれているクルマを見かけることもあります。
 
 ヘッドライトさえあれば前方の視界は確保されるようにも思えますが、ではこれは一体どういう時に使用するものなのでしょうか。

悪天候下で「前照灯(ヘッドライト)」(上)の補助をするのが「フォグランプ」(下)の役割です[画像はイメージです]
悪天候下で「前照灯(ヘッドライト)」(上)の補助をするのが「フォグランプ」(下)の役割です[画像はイメージです]

 このヘッドライトの下に装着された小型のライトの正式名称は「フォグランプ」。

「フォグ(fog)」は英語での「霧」を意味する通り、ひどい濃霧などで前方の視界が悪い場面で点灯させるライトです。そんなこともあって、日本語ではフォグランプを「前部霧灯」とも呼んでいます。

 ヘッドライトが前方を照らすことを目的としていることに対し、フォグランプも前方を照らすことから、ヘッドライトの補助を担っているとも捉えられます。

 しかし、フォグランプは単一での点灯で走行可能なほど運転手からは明るく見えず、どちらかといえば「濃霧の際に対向車などに対して自車の存在を伝える」という役割が主体です。

 また、霧が濃い時にヘッドライトのみの点灯で走行しようとすると、路面を照らすべき光が霧に当たって拡散するために、路面がよく見えないときもあります。

 そんな場面では、バンパーなどの路面に近い低い位置に取り付けられたフォグランプの方が、よりしっかりと道路状況をドライバーに伝えてくれるのです。

 一方で、まれに“フォグランプのみ”を点灯させて走行するクルマを見かけますが、フォグランプはあくまでも「視界が悪いときの補助灯」という存在。

 道路交通法第五十二条には「夜間は前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない」と記載されており、補助灯であるフォグランプはこれに含まれません。

 よってフォグランプのみを点灯させて走行する行為は無灯火走行となり、道路交通法違反に該当。状況によっては違反点数1点、反則金6000円の罰則が科せられてしまう可能性があります。

「ちゃんとクルマの前方のライトは点けているから問題ない」などと考えず、フォグランプは必ずヘッドライトとセットで使用するように注意しましょう。

【画像】えっ…意外! これがフォグランプの正式名称です(14枚)

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