トヨタの小型ハイトワゴン「ルーミー」人気絶大のなか次期型登場のウワサも!? 新型モデルはどうなる?

新型ルーミーはどんなモデルで登場する?

 小型車サイズのスーパーハイトワゴンにはスズキ「ソリオ」もありますが、ブランド力や販売店舗数の違いによって売れ行きはルーミーが圧倒的に多いです。

 ただしルーミーには欠点も散見されます。ガソリンエンジンの動力性能、走行安定性、ステアリングを操作したときの車両の反応、乗り心地に不満があり、ターボはノイズが耳障りです。

ルーミーの車内
ルーミーの車内

 後席は頭上と足元の空間は広いですが、座り心地は柔軟性に乏しく、床と座面の間隔が近いために足を前方へ投げ出す座り方になってしまいます。

 こういった欠点が生じた理由は、ルーミーが約2年間という短い期間で開発されたからです。

 2014年には初代N-BOX(先代)、3代目タント(先代)、スズキ初代「ハスラー」(先代)などがヒットして、国内の新車販売台数に占める軽自動車比率が40%を超えました。小型車から軽自動車への乗り替えも相次いで、軽自動車を用意しないトヨタは焦りました。

 そこでダイハツに大急ぎでルーミーとその姉妹車を開発させ、2年後の2016年に発売。そのためにルーミーは、コンパクトSUVのトヨタ「ライズ」やダイハツ「ロッキー」に使われるDNGAの考え方に基づいたプラットフォームや新しいエンジンを採用できませんでした。この影響で、走行性能と乗り心地を中心に、前述の欠点が生じたのです。

 従ってルーミーを買う時は、ライバル車のソリオ、同じトヨタ車のシエンタなどと試乗車の乗り比べをしてみると良いでしょう。

 ルーミーに乗ってみて不満を感じたら、次期型を待つ方法もあります。

 トヨタの販売店は次のようにいいます。

「ルーミーは2023年末に後継車種に切り替わるようです。エンジンは現在の直列3気筒1リッターから1.2リッターに変更され、ハイブリッドが新たに搭載される可能性も高いです」

 2023年10月には「ジャパンモビリティショー2023(以前の東京モーターショー)」が開催され、次期ルーミーのプロトタイプはこれに出展される可能性があります。

 次期ルーミーのボディサイズは、シエンタとの関係もあるために現行型をほぼ踏襲しますが、エンジンやプラットフォームは、ライズやロッキーと同じタイプに刷新されるでしょう。

 エンジンは販売店がいうように、ライズやロッキーと同型の1.2リッター直列3気筒で、「eスマートハイブリッド」も用意されることが予想されます。

 新型では、現行型の欠点とされる走行性能と乗り心地が改善され、後席の座り心地も柔軟になって安全装備も進化。内装の質も高まるでしょう。

 現行型の商品力は、ライバル車のソリオに負けますが、次期型ではそれを上まわってくるはず。ルーミー(タンク含む)は現行モデルの保有台数も多いことから乗り替え需要が豊富で、フルモデルチェンジすれば必ず好調に売れると筆者(渡辺陽一郎)は考えます。

 十分なコストを費やした入念な開発をおこなうため、商品力が大きく向上する一方で、価格はあまり高くはならないと思われます。

 ルーミーの競争相手は、N-BOXやタントなど軽自動車のスーパーハイトワゴンで、割高感が生じると販売合戦に負けるからです。

 その結果、新型ルーミーは現行型以上に売れ行きを伸ばし、国内の新車市場は、軽自動車と併せてスーパーハイトワゴンの天国になるでしょう。

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Writer: 渡辺陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。

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1件のコメント

  1. こんな、客をなめた車を平気で売るメーカー、信じられないわ
    ソリオと、雲泥の差

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