走行中の「ハイドロプレーニング現象」どう対処すべき? やっちゃいけない「NG行為」も!? スリップ事故を防ぐ方法は
「ハイドロプレーニング現象」は、雨の日に走行していて、クルマのコントロールが効かなくなるという怖い現象です。実際にハイドロプレーニング現象が起こったらどうなるのでしょうか。
ハイドロプレーニング現象の経験者はどう行動した?
雨の日のクルマの運転でもっとも注意したいのが「ハイドロプレーニング現象」です。
ハイドロプレーニング現象は、タイヤと路面の間に水が入り込み、グリップ(摩擦力)が失われる状態のことをいい、「水膜現象」とも呼ばれています。
通常は、路面との間に入り込む水をタイヤの溝が排出しているのですが、水たまりや大雨でタイヤの排水能力を超えると、タイヤが水に浮いたような状態になってアクセルもブレーキもハンドル操作も効かなくなってしまうのです。
とくに雨の高速道路で発生しやすく、大事故につながる恐れもあり危険です。
実際にハイドロプレーニング現象が起きるとクルマはどうなるのでしょうか。経験者に話を聞いてみました。
Fさん(50代・男性)はスポーツクーペを所有しており、行楽に出かけたそうです。その日は快晴で、気温が高く蒸し暑い気候だったといいます。
「遠出した帰りに高速道路を順調に走行していたのですが、天候が急変して薄暗くなったと思ったら、突然のゲリラ豪雨に見舞われました。
土砂降りのなかに突入したとたん、一気に視界不良になりました。それでも何とかなると甘く考えていたんですが、突然クルマがコントロールを失ってしまいました」
Fさんは法定速度の時速100kmで追い越し車線を走行していたとのことですが、嫌な予感がしたのですぐにアクセルを緩め、ハンドルを軽く左に切ると、まるで滑空するがごとく、スーッと前に進むだけの状態になったそうです。
「ハイドロプレーニング現象だと思い、速度を落とすためにアクセルから足を離し、バランスを崩さないようにハンドルはまっすぐ、ブレーキペダルを踏みたい気持ちを抑えて、とにかくそのままグリップが回復するのを待ちました。
体感的には数十秒でしたが、多分実際はほんの数秒だったのでしょう、その姿勢をキープしたのですが、幸いにも路面が排水性の良い舗装に切り替わり、グリップが確保できた感触がハンドルから伝わってきたことが感じられ、事故にならずに済みました」(Fさん)
Fさんの場合は、かなり幸運が重なったことで生還できた可能性があります。
まず良かったのが、アクセルやブレーキ操作をしなかったことです。また闇雲にハンドル操作しなかったのもラッキーでした。下手にハンドルを切った場合、グリップが回復した途端、前輪が左右どちらかに舵を切っていればその方向へと姿勢が変わり、スピンする可能性もあります。
また高速道路が直線だったことも幸いしました。これが緩やかな曲線が続くような高速道路であれば、左右どちらかに流れていた可能性もあったでしょう。
そして路面が排水性舗装(透水性アスファルト舗装)に切り替わったのが最大の幸運でした。そうでなければ、流されたままの状態が続くことでコントロールを失い、中央分離帯や路肩、または周囲のクルマと接触していたかもしれません。
「タイヤは数年替えてなかったので、硬化していたんだと思います。それからは、必ず天気情報を確認し、タイヤの状態をより気にするようになりました」(Fさん)
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ハイドロプレーニング現象に陥った場合は、ハンドルをどちらかに切ったり、アクセルやブレーキ操作はせずに、グリップが回復するまで挙動を乱さないようにすることが何よりも大事ということが分かりました。
昨日も島根県で道路冠水。その中を悠然と走行する車両。ハイドロも怖いけど水につかったブレ-キ、利かないよ