もはやレアな「鮮烈レッド内装」が派手すぎ! 伝統「赤内装」採用のホンダ「シビックタイプR」の魅力は?

オシャレな内装色を採用する新型車が登場する一方で、真っ赤な内装カラーを用意するクルマは多くありません。そのなかでも歴代で真っ赤なインテリアを採用し続けるホンダ「シビックタイプR」を紹介します。

「鮮烈レッド内装」は「純粋なスポーツカー」の証

 近年登場する新型車は、ベージュやタンなどのオシャレな内装色を採用することも多いですが、上質な「ワインレッド」とは違い、鮮烈な印象を与える「真っ赤な」内装を設定しているクルマはさほど多くありません。
 
 しかし、なかには歴代で数少ない「鮮烈レッド内装」を採用し続けてきた国産スポーツモデルがあります。

レアすぎる「レッド内装」は硬派な証!
レアすぎる「レッド内装」は硬派な証!

 ホンダ「シビックタイプR」は1997年に登場したスポーツカーです。

 1992年にミッドシップスポーツカー「NSX」にピュアスポーツモデル「タイプR」が登場したのを皮切りに、シビックと「インテグラ」にも設定されたタイプRシリーズでは、歴代モデルに共通して赤い内装を採用しています。

 NSXやインテグラが販売終了するなか、シビックタイプRの現行モデル(FL5型)は2022年9月1日に発表。11代目「シビック」をベースとし、同車の「タイプR」シリーズとしては通算6代目となりました。

 搭載されるエンジンは先代(FK8型)と同じ「K20C」型2リッター直列4気筒VTECターボですが、10馬力と2.0kgmの出力向上が図られたことで、最高出力330馬力・最大トルク420Nmと、歴代シビックタイプRの中でも最強スペックとなりました。

 エクステリアはワイド&ローなスタイリングとなり、速さと美しさを兼ね備えたデザインとしたほか、冷却性能向上のためグリル開口部を拡大。

 サイドシルガーニッシュやリアスポイラーなどを装備し、空力性能を追求しながらも、リアフェンダーをボディと一体化して機能性と流麗なデザインを両立しました。

 また、先代から採用している2ピースディスクブレーキのパワーの特性を変更し、低速から高速までのさらなるブレーキのコントロール性を追求。

 ブレーキへの導風効率を高めたことで、クローズドコースでの連続走行時におけるブレーキ温度の上昇を低減し、安定したブレーキ効力と耐フェード性を実現したといいます。

 インテリアは、サーキットからロングドライブも想定した専用スポーツシートが装備され、アルカンターラ素材を用いた専用ステアリングやアルミ削り出しシフトノブといった、スポーツマインドを刺激する数多くの装備を持つことも特徴です。

 内装も歴代タイプRと同様に鮮烈なレッドとし、タイプRのイメージカラーとも言える「チャンピオンシップホワイト」と合わせれば、内外装のコントラストが強調され、さらに戦闘的なバトルマシンへと仕上がります。

 国産各メーカーではスポーツカーの展開が徐々に減り、販売を継続する車種でも豪華装備を採用するなど、ピュアスポーツカーとしての性格から上質志向のツーリングカーへと方向転換する傾向も見られます。

 その一方で、このような「硬派」なインテリアを採用しつづけるシビックタイプRのように、タイムを削るために進化を重ねる純粋なスポーツカーの存在は、もはや希少な存在とも言えそうです。

※ ※ ※

 なお、シビックタイプRは2023年4月20日にドイツのサーキット ニュルブルクリンク(北コース)において、FF車最速となる7分44秒881のラップタイムを記録。

 ニュルブルクリンク(以下ニュル)は世界で最も過酷なサーキットとして知られており、世界各国のメーカーが日夜欠かさず新型車の走行テストを行うほかに、毎年24時間耐久レースも開催されています。

 世界のサーキットとしては異例とも言える全長約20.832kmものロングコースの中には、低速から時速200km超えで通過する超高速コーナーなど、170ものコーナーが設けられています。

 さらにコースの高低差は300mとアップダウンも激しく、ほこりっぽく滑りやすい路面やエスケープゾーンも少ないために常に微細なコントロールが要求される難関コースです。

 そんなニュルの最速ラップを塗り替えることは、かねてより世界各国のスポーツカーにおいて栄光とされ、ニュルのタイム自体も走行性能を測定するひとつの方法としても知られています。

 FF(前輪駆動)車では、シビックタイプRはライバルのルノー「メガーヌ R.S.」やフォルクスワーゲン「ゴルフ GTI」などとともにFF最速車の称号を奪い合ってきましたが、今回はシビックタイプRがその称号をゲットしています。

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