高く売れるから「お得」とは言い切れない? 「残価率高いクルマ」必ずしも“高コスパ”と言えない理由とは
価格が同じでも残価率だけでは測れないポイントも!?
例えば、メーカー希望小売価格が300万円の2モデルを検討している場合で想定してみましょう。
納車1年待ちで大人気の「残価率70%のモデル」と、不人気ですぐに購入可能な「残価率55%のモデル」という比較です。
大人気の残価率70%モデルは、90万円の値落ちで、残価は210万円になります。
対する不人気の残価率55%モデルは135万円値落ちし、残価165万円になります。
これだけ見ると、明らかに残価率70%の方がコスパも良いとなりますが、必ずしもそうとは言い切れないパターンもあるのです。
少し極端な事例で、わかりやすく紹介します。
販売店としては、1年待ちの人気モデルは、ユーザーにとっては待ってでも欲しい特別な存在といえます。
つまり特別な値引きなどなくても、購入してもらえる可能性が高いクルマです。
一方、不人気の在庫モデルは、値引きを多少増やしてでも早く売ってしまいたい面があります。
例えば購入時、45万円の大幅な値引きをしてもらうことで、購入時の車両価格は実質255万円相当になり、値落ち額は90万円に換算されます。
結果として「どちらのモデルもコスパは同じ」ということがあり得るのです。
つまりクルマを購入する際は、単に残価率ばかりを気にするのではなく、値引きや維持費などのトータルコストで、総合的に考える必要があるのです。
ちなみに、筆者(くるまのニュースライター HAMATARO)がクルマを購入した際は、A販売店では値引きは10万円までと言われましたが、同じ車種を扱うB販売店では、値引き額が25万円までするという話になりました。
最後に、以前より付き合いのあるC販売店でA店やB店の状況を踏まえ相談したところ、最終値引き額が50万円を超えたことがあったのです。
このように同じクルマ(つまり残価率も同じクルマ)同士でも、販売店や購入時期によって値引きが変わってくることも大いにあり得ます。
新車購入時には必ず見積りを複数のディーラーでもらい、値引きや支払総額までをしっかりと比較することを強くオススメします。
※ ※ ※
このように残価率が良いからという理由だけで飛びついてしまうのは、必ずしもコスパが良い選択とは限りません。
一方で、残価率やコスパを気にしすぎるがあまり、不本意なカーライフを送るのはもはや本末転倒です。
まずは各自の生活スタイルや収入に見合ったクルマ選びを基本とし、そのうえでトータルコストを見据えた楽しいカーライフを目指すのが良いでしょう。
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