高く売れるから「お得」とは言い切れない? 「残価率高いクルマ」必ずしも“高コスパ”と言えない理由とは

クルマを買い替える際、基本的に売却するクルマの残存価値(リセールバリュー)が高い方が、総支出総額も低く抑えられます。しかし残価率ばかり気にしてクルマ選びをしても、必ずしもコスパが良いとは限らないこともあるといいます。どうしてでしょうか。

クルマの「リセールバリュー」は重要! でも気にすべきはほかにも

 クルマを長く乗り続ける「乗りつぶし派」に対し、一定の期間で常に「乗り換える派」の人もいます。そこで気になるのが、購入するクルマの「将来の下取り価格」がいくらになるのか、という点です。
 
 しかし、単に残価率が高いだけでは「コスパが良い」とは言い切れないといいます。それはなぜでしょうか。

2014年に約1年限定で販売されたトヨタ「ランドクルーザー70(ナナマル)」は、デビュー後9年が経過しても新車価格同等かそれ以上の中古車相場を維持する極めて珍しい例です
2014年に約1年限定で販売されたトヨタ「ランドクルーザー70(ナナマル)」は、デビュー後9年が経過しても新車価格同等かそれ以上の中古車相場を維持する極めて珍しい例です

 近年、クルマの耐久性も向上し、新車の長期保有が増えているといいます。

 そんななかで、新車を一定の期間で定期的に乗り換えることにもメリットがあります。

 例えば低燃費のパワートレインや先進運転支援機能など、年々進化を続ける最新の機能や装備が満喫できるほか、安全性が高いというのもポイントのひとつです。

 さらに圧倒的に故障のリスクも低く、もし万が一のトラブルがあっても新車保証が有効となれば、維持コストも比較的安く抑えることが可能な点も挙げられます。

 もし予算が許すのであれば、3年などの短いスパンで新車に乗り換えるメリットは決して少なくないといえます。

 そして新車を定期的に乗り換えるなら、クルマを売却する際のクルマの残存価値、いわゆる「リセールバリュー」が高ければ高いほど、乗り換えの際の追加費用が減ることになります。

 そのため、リセールバリューが高いクルマを積極的に選び乗り継ぐ人もいます。

 折しも、2021年頃に深刻化した半導体不足による新車供給の慢性的な遅れにより、ここしばらくは高年式の中古車価格も大幅に高騰していました。

 なかには新車で購入した価格よりも、中古車で売却した価格の方が高かった、というような人もいたといいます。

 しかしリセールバリュー(残価率)だけを気にしてクルマを購入すると、思わぬ落とし穴にはまることもあります。

 残価率とは、新車の車両本体価格に対し、3年後や5年後の買い取り価格(残価)がどのくらいの比率になるかということを表しています。

 一般的に残価率が高いクルマは中古車市場で人気が高く、中古車の販売価格も高い水準を維持するので、買取価格も高くなります。

 あくまでも単純計算ですが、新車価格300万円のクルマの場合、残価率50%のクルマの買い取り価格は150万円です。

 一方、残価率60%のクルマの買い取り価格は180万円となるため、残価率60%のクルマの方が30万円値落ちが少なく、よりコスパが良いということになります。

 とはいえ残価率以外にも、実は見逃しがちなポイントが隠されています。

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