「仮ナンバー」返さない人多発、なぜ? 利用者の約4分の1が延滞も! 懸念される悪用リスク、罰則は?
仮ナンバー未返納の場合なにが問題で、どのような罰則があるのか
さらに、未返納の仮ナンバーは許可された経路以外での使い回しや第三者へ譲渡されるといった不正利用のおそれがあるほか、有効期限切れの仮ナンバーをつけているクルマは整備不良による事故や自賠責保険切れの可能性があることも指摘されています。
仮ナンバーを許可されたクルマ以外に使用したときや詐欺など不正な手段で臨時運行許可を受けたときには道路運送車両法第107条の規定により、1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金、または両方の罰則が科せられる併科となる可能性があります。
そして期限内に仮ナンバーと臨時運行許可証を返納しないときや臨時運行許可証を備え付けないでクルマを運行した場合は道路運送車両法第108条により、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が規定されています。

全体の4分の1もの仮ナンバーが未返納である原因として、ドライバーの遵法意識が低いことが考えられるほか、自治体によって仮ナンバーの返却期限や罰則に関する説明・周知方法に温度差があったり、実際に利用者の自宅を訪問して回収を促す活動に差があることなどが言及されています。
とはいえ仮ナンバーを利用する以上、ドライバー自身がきちんと法律を理解して正しく使用する必要があるといえるでしょう。
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総務省近畿管区行政評価局の調査では、約4分の1もの仮ナンバーが期限内に返納されていない実態が明らかになっています。
ナンバープレートの未返納や使い回しはもちろん、許可された経路以外を走行することも禁止されているため、仮ナンバー制度を利用する際にはきちんと利用方法を確認することが大切です。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。












