「仮ナンバー」返さない人多発、なぜ? 利用者の約4分の1が延滞も! 懸念される悪用リスク、罰則は?
総務省近畿管区行政評価局の調査により「自動車臨時運行許可(仮ナンバー)制度」で使われる仮ナンバーの未返納が多発していることが判明しました。そもそも仮ナンバーとはどのようなもので、なぜ未返納が発生しているのでしょうか。
仮ナンバーとはどのような場面で使用するのか?
一般ユーザーからするとあまり馴染みがありませんが、登録されていないクルマを公道で運転する場合に「仮ナンバー」が必要となります。
そうした中で、最近仮ナンバーの未返納が横行していることが明らかになっています。では、一体どのような問題があるのでしょうか。
一般ユーザーからするとあまり馴染みがありませんが、新車で未登録のクルマや車検が切れたクルマを、新規登録・車検のために動かす場合に仮ナンバーが必要です。
仮ナンバーは自治体が貸し出すものですが、実は総務省近畿管区行政評価局の調査により仮ナンバーの未返納が横行していることが明らかになっています。
通常、ナンバープレートのついていないクルマや車検が切れているクルマは公道を走ることができません。
しかし、新車や中古車を新規登録したり、車検が切れたクルマの継続検査をおこなう際などはクルマを動かす必要があります。
このような場合には、レッカー車や積載車などを使ってクルマを運ぶか、市町村役場などの自治体が貸し出す「仮ナンバー」を取り付けることで公道を走れるようになります。
これを「自動車臨時運行許可(仮ナンバー)制度」といい、クルマの運行目的や経路、期間を特定した上で、自治体が特例的に運行を許可するという制度です。
具体的には、クルマを走らせる目的や運輸支局までの経路、運行期間などを役所に申請し、許可が下りれば役所から臨時運行許可証の交付があるほか、仮ナンバーの貸与を受けられます。
これらの有効期間は最大5日間であり、有効期間満了日から5日以内に臨時運行許可証と仮ナンバーを返却しなければならないほか、許可された経路以外の運行はできないといった制約があります。
また仮ナンバーは通常のナンバープレートと異なり、赤い斜線が引かれているのが特徴です。
大阪府摂津市役所のホームページでは仮ナンバープレートの見本として「大阪○○-○○(数字)摂津市」と記載された画像が掲載されており、一見して仮ナンバーだと分かるようになっています。
仮ナンバーの貸与を受ける際の手数料は1回の申請につき750円であり、レッカー車などを使ってクルマを運ぶよりは運搬費用が安く抑えられるといえるでしょう。
しかしこの仮ナンバーをめぐっては、利用者がナンバープレートを返納しない、仮ナンバーが不正に使われるおそれがあるといった問題が噴出しています。
これらの問題が明らかになったのは、行政の実態把握や改善をおこなっている総務省近畿管区行政評価局に仮ナンバーについての相談が寄せられたことがキッカケです。
内容としては「他県の市が発行した仮ナンバーを付けた車両が駐車場内に長時間駐車されている」、「仮ナンバーを使用するため市役所に申請をしたところ、返納されていない仮ナンバーがあり、在庫がないため貸し出せないと言われた」といったものです。
これを受け、同局が大阪府、滋賀県および和歌山県の3府県から12市町を抽出して調査をおこなった結果、2021年度の臨時運行許可件数6276件のうち、約4分の1にあたる1518件の仮ナンバーが返納期間をオーバーしていたこと、また利用者の中には6か月を超えても返納していないケースが散見されることも明らかになりました。
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