ヤマハが次世代モビリティ「Town eMotion」で描く姿とは!? 4輪車プロジェクト「凍結」を乗り越えた先に見据えた「未来」を探る
新たに始まった「Town eMotion」はヤマハが描くモビリティの近未来図
一方ヤマハは、電動車いすの分野でもヤマハらしい製品の開発を進めていました。それが「YNF-01」です。
4輪が独立したサスペンションを持つことで走破性を上げるとともに、ホールド感と開放感を実現したシート形状や、乗る人の冒険心をかき立てるカッコいいデザインが特徴的です。
筆者は2019年3月、静岡県磐田市のヤマハ本社を訪れ、YNF-01を試乗し開発担当者から詳しい話を聞いています。その際「本気で量産を目指している」とのことでした。
当時、ヤマハ社内ではLSM(ロースピードモビリティ)開発部が発足しており、ゴルフカートと含めて、新しい領域で4輪形式のモビリティの社会実装を目指していたのです。
しかし2023年4月時点で、YNF-01を基点とする量産モデルも登場していません。
このようにヤマハの4輪車、または4輪形態での新しいモビリティについては、今後の方向性ははっきりと見えてこないのが実状です。
そうしたなかで、新たにTown eMotionが始まったのです。
ヤマハの関係者によると、Town eMotionには、ヤマハの各種商品ユーザーのみならず、各地の地域住民、そしてヤマハ社内の様々な事業部や開発部にとっても、近未来における「まちなかでのヤマハの存在」に対する気づきになれば良い、という発想があります。
そんなヤマハが描く未来図の中で、2輪車、4輪車、自転車、電動キックボード、自動配送ロボット、さらに様々なモビリティが、地域の特性や住民ひとりひとりの個性が上手くバランスした、笑顔溢れる日常生活が実現することを期待したいと思います。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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