ドライブ中に「クマ・シカ出現!」どうする? 暖かくなると人里にも! 遭遇時のNG行為や対処法は?
道路に野生動物が飛び出して避けきれずに起きる事故、いわゆる「ロードキル」が意外と多く発生します。ロードキルの対策や、轢いてしまったときの対処法について調査しました。
野生動物との「ロードキル」は年間約5万件も高速道路で発生している!?
暖かくなると野生動物が市街地に出没することが多くなります。では、もし遭遇した場合の対処や衝突した場合の対応はどうすれば良いのでしょうか。
2023年4月5日、HTB北海道ニュースは北海道内の山中をクルマで走行中のドライバーが、道路上でクマと遭遇したニュースについて報じました。
同ニュースでは、道路上に現れたクマがクルマに向かって走り出す様子のほか、2022年8月に北海道の知床横断道路においてクマがドアミラーをつかんで車体を揺さぶる動画などが紹介されています。
北海道に生息するヒグマの場合、3月から5月は冬眠明けの時期であり、5月頃からは子連れのメスや独り立ちしたばかりの若いオスが市街地付近に出没しやすくなるといわれています。
札幌市が公表している「札幌市ヒグマ出没情報」によると、2023年4月1日から4月26日現在までの間に札幌市だけでも13件の出没情報が報告されており、春に入ってヒグマが現れやすくなっているといえるでしょう。
また過去の調査ではクマやシカとの衝突事故が年間で約2000件報告されており、なかにはドライバーが死亡する事故まで報告されています。
北海道のみに生息するヒグマの体長・体重はオスで約2m・約150~400kg、メスで約1.5m・約100~200kgである一方、本州に生息するツキノワグマについては体長が約1.1~1.3m、体重はオスで約60~150kg、メスで約40~80kgです。
いずれも高い運動能力を持っており、衝突されればクルマが大きく破損する可能性もあります。
安易に近づくと大変危険ですが、クルマを運転中にクマに遭遇してしまった場合、どのような対応をとれば良いのでしょうか。
以前に環境省と公益財団法人知床財団が作成した資料では、クルマでクマに出会った際の対応として「なるべく手前で距離をとり、むやみに近づかない」、「クルマから降りない」、「窓を閉める」、「スピードを落としてすみやかに通過する」といった方法を指導していました。
ドライバーの中には興味本位でクルマから降りて写真撮影をしたり、エサなどを与えるケースもありますが、クマが急に近づいてくれば怪我をするおそれがあるほか、クマが人間の食料の味を覚えると人里に降りてくる可能性が高まるため、絶対にクルマから降りず、その場をすみやかに離れることが重要です。
また、クマがドアを引っ張った際にドアが開かないようロックをかけておきましょう。
たとえ道路上にいたクマが子グマであっても、近くに母グマがいることが考えられます。
母グマは子グマを守るために神経質・攻撃的になることが多く、子グマを見かけた場合でも近づかず、すぐにその場を離れましょう。
※ ※ ※
なお、高速道路においてNEXCO3社(東日本・中日本・西日本)および本四高速、首都高速、阪神高速でのロードキル発生件数は、2002年には約3万6000件だったのに対し、2018年には約4万7400件まで増加。
これらの犠牲動物で圧倒的に多いのがタヌキやネコ、ウサギといった小動物やトビやカラスなどの鳥類も多く報告されています。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。