ズルい? 合流地点で先頭まで行く「ファスナー合流」 勘違い多いが実は正しい「合流方法」推奨の理由は?
高速道路の渋滞ポイントといえば、「合流地点」があります。渋滞を引き起こさずにスムーズに合流できる方法はあるのでしょうか。
渋滞よく起こる「合流地点」 スムーズに合流する方法は?
毎年、ゴールデンウイークやお盆、年末年始など長期連休になると、ふるさとや行楽地へ向かうクルマで高速道路が混雑します。
なかでも、しばしば渋滞するポイントといえば「合流」が挙げられますが、高速道路各社が呼びかける、「流れ」を悪くしない合流方法があります。
本線への合流は、前方だけでなく側方など確認しなければならないことも多く、長さが限られた加速車線のなかで自車の速度を調整しながら合流することに不安を感じている人もいるかもしれません。
特に、長期連休では走行するクルマの台数も多いほか、走りなれないドライバーもいることから、高速道路の各合流地点ではしばしば渋滞が発生します。
高速道路の合流では、道路交通法第75条の6で次のように定められています。
「本線車道に入ろうとする場合において、当該本線車道を通行する自動車があるときは、当該自動車の進行妨害をしてはならない」
つまり合流するクルマではなく、あくまでも本線優先だと定められているのです。
そのため、合流する側のクルマのドライバーは、本線走行中の他車の状況を確認してタイミングを図りつつ、流れを損なったり本線の他車を邪魔しないよう、十分な速度へと加速したうえで本線に合流することが求められます。
普段走りなれないドライバーからすると、空いていてもドキドキする合流ですが、その一方で本線が渋滞しているとクルマが途切れるタイミングがなく、「本線優先」を遵守しすぎれば、ほぼ合流は不可能といっても過言ではありません。
では、どのような方法が一番スムーズに合流できるのでしょうか。
NECXO中日本や名古屋高速では、「ファスナー合流(ジッパー法とも。以下ファスナー合流)」を提唱しています。
ファスナー合流は、洋服のファスナーのように、加速車線を最後まで使い切って先頭まで行き、1台ずつ本線に合流する方法のことを指します。
このファスナー合流は、クルマのスピードのロス(不要な加減速)も少なく、効率的な合流方法といわれています。
NEXCO中日本の名古屋支社は2019年11月に、渋滞時の合流をスムーズに促すファスナー合流について、試験的に運用した結果を公表。
試験運用は、合流ポイントで渋滞が多い名神高速道路上り線で行われ、合流ポイントの先頭部分まであえてラバーポールを設置することで、加速車線の途中で本線と合流できないようにしました。
その結果、交通量はほぼ横ばいであったにもかかわらず、渋滞による損失時間が約3割減少。
さらに渋滞区間の平均通過時間は、名神IC付近では約13分から約10分に約3分間短縮される結果となりました。
NEXCO中日本の担当者は過去の取材で、ファスナー合流について以下のように説明します。
「ファスナー合流は最も安全で、クルマの流れを極力妨げない方法です。
本線への合流では、車間が空いている場所を見つけて、右ウィンカーを出して割り込むようなかたちで合流するクルマも見られます。
そうした合流は、接触事故や新たな渋滞を引き起こす原因にもなるため、加速車線を使い切っての合流をお勧めします」
また、名古屋高速でも「ジッパー合流」という呼称でSNSやホームページなどで積極的に呼びかけています。
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