人気の「車中泊」は身体リスクもある? 気にすべき「エコノミークラス症候群」 流行りと災害で注目される安全な過ごし方とは
アウトドアやキャンプなどの人気に比例して注目される車中泊。さらには、多発する自然災害などで「車中泊避難」としても注目されています。しかしながら、車中泊には様々なリスクが存在するといいます。
車中泊ブーム到来!しかし、さまざまなリスクも
昨今、アウトドアやキャンプなどの人気に比例して、ホテルや施設などを予約する手間などが無い気軽さにより車中泊をする人も増加傾向にあります。
また、多発する自然災害などで「車中泊避難」としても注目されていますが、車中泊には様々なリスクが存在するといいます。どのようなことに気をつけるべきなのでしょうか。

最近では車中泊ブームにより、ホテルの料金を抑えるために車中泊をしたりソロキャンプをする際にテントではなくクルマの中で寝たりする人が増えてきているようです。
そんな車中泊ブームのなかで、適切な広さと高さを持ち、段差や隙間が少ないフラットシートにリクライニングできるクルマの人気が急上昇していますが、なかでもトヨタ「ハイエース」、「タウンエース」や日産「キャラバン」、「NV200 バネット」が注目を集めているようです。
一方でそんな車中泊は、レジャーのアウトドアだけではなく、避難場所としても活用されています。
実際に愛知県豊田市では、過去の災害事例である熊本地震において建物内への避難ではなく車中泊を選択される人がいたという事例を取り上げ、2022年に「車中泊避難ハンドブック」を作成しています。
トヨタでは特設サイト「トヨタ災害復旧支援」にて、「今、車中泊避難が必要な方へ」という内容を公開。この中では「災害によるクルマでの避難生活はエコノミークラス症候群や熱中症、一酸化炭素中毒など健康被害を伴いやすく、大変危険です」と注意喚起しています。
車中泊避難の生活における注意点として「人目があり平坦で換気ができる安全な場所に駐車し、エンジンは停止してください」、「排気管まわりに、障害物や可燃物がないか注意してください」、「ドアはロックし、電気製品は、注意事項を守ってご使用ください」、「定期的に避難所や行政の情報を得るようにし、自治体の支援を活用しましょう」という内容も発信しています。
さらに車中泊避難での身体的リスクとして「エコノミークラス症候群」というものが挙げられています。
実際に気をつけなければならないことについて、日本各地でキャンピングカー事業を展開している担当者は「車中泊避難を行ううえで、特に注意が必要な点は『エコノミークラス症候群』です。車中泊では足を十分に伸ばせる空間づくりが重要です」と話しています。
エコノミー症候群とは、食事や水分を十分に摂らない状態でクルマなど狭い座席に長時間座ったままの姿勢でいることで足の血流が悪化し、血栓ができて肺の血管を塞いでしまい、肺塞栓などを誘発するおそれがあるものです。
発症すると呼吸困難や胸の痛み、最悪の場合は死に至るケースもあるといい、とくに妊婦や持病を持っていたり大きなケガをしていたりする人は発症のリスクが高いとされています。
また、車中泊避難には熱中症や低体温のほか、誤嚥性肺炎など、さまざまな症状を引き起こすリスクがあります。























