運転手に「お先にどうぞ」でも違反になる? 「歩行者の善意なのに…」 実際に「横断歩行者妨害」となる条件はあるのか
横断歩道の歩行者優先に対してSNSでも話題に…
この「横断歩道における歩行者の『お先にどうぞ』論争」は、SNSでも時折繰り広げられている様子を目にすることがあります。
実際にSNSでは、「歩行者はどんな状況であれ、横断歩道でクルマに道を譲らないでほしい。譲られてクルマが歩行者よりも先に進行したら取り締まりを受けるかもしれないので…」、「横断歩道で道譲る歩行者マジでやめてほしい…渡ったら捕まるから早く行ってほしい」と、「道を譲らないでほしい」といった声が多く見られます。
警察側では前述のように「状況により判断が異なる」といいますが、運転マナーやルールを教える教習所ではどのような見解なのでしょうか。
首都圏にある自動車教習所は「横断歩道には歩行者がいるかもしれないと思って近づくと良いでしょう」と話します。
また関西圏の自動車教習所では次のように話しています。
「基本的に教習所では、信号の無い横断歩道付近に人が立っている場合、必ず一時停止して歩行者に進路を譲ることを教えていました。
最近では教習生から『譲られた場合』の質問を受けることもあり、その場合『基本は歩行者を優先』と伝えています」

また、歩行者が一度道を譲ったのにもかかららず、クルマが動き出すまでの間で歩いてきたという事例もあるようです。
こういったことも鑑みると、歩行者を優先させるため、もし歩行者が道を譲ったとしても、ドライバーは身振り手振りで道を譲り返し、先に歩行者に横断歩道を渡ってもらう心がけが必要かもしれません。
さらに前出の警察署の担当者は「歩行者に道を譲られた場合でも『歩行者側を優先するのがよい』かと思います。また、歩行者側で渡らないで道を譲る意思がある場合は、1、2歩下がるなどをしてしっかり意思表示を示すのが良いでしょう」といいます。
このように、たとえ歩行者の善意であっても、横断歩道で歩行者を優先させなければ歩行者妨害となり、ドライバーは取り締まりを受ける可能性があるようです。
※ ※ ※
近年では、多くのクルマがドライブレコーダーを搭載しています。
万が一トラブルになっても、歩行者が1、2歩下がって道を譲る意思をみせたことは考慮すべきポイントとなる可能性もあるため、ドライブレコーダーの映像は証拠となるかもしれません。
Writer: Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。



















