ゴルフカートが公道を自動走行 新交通システム、社会実験中

お代はタダ

 輪島商工会議所の上野さんによると、「ゴルフ場のカートは本来、公道を走行できないものですが、ウィンカーやバックミラー、灯火類などを取り付けて、2014年11月に軽自動車のナンバーを取得しました。それまでに公道以外での社会実験を積み重ねたうえで、このシステムの有用性を警察庁などにも理解いただいたことで、公道での実験にこぎつけました」といいます。

「エコカート」は20km/h未満というゆっくりなスピードですが、「お年寄りには速さは必ずしも重要ではありませんし、観光客からは、自分がたどって来た道がわかりやすいと好評です。気になる場所があったら次の停留場で降りて『ちょっと寄っていこうか』ということがすぐにできます」と上野さんは話します。街中の移動は「エコカート」で、郊外や他都市へは路線バスやタクシーでといった具合に、交通機関の役割をすみ分けられるともいいます。

 なお、「エコカート」の運賃は無料。今後、実験段階を終えて本格的な運用に移行したとしても、経済団体や企業の“受益者負担”を前提とし、運賃の徴収は考えていないそうです。「たとえばバスを導入したり、新しい道路を建設したりするよりも、『エコカート』はずっと安価です。お年寄りも元気に移動できるようになり、街の経済にもプラスになります」(上野さん)といいます。

 上野さんが「ゆっくりとした空気が流れる輪島のような街にはピッタリ」という「エコカート」。ほかの地方にも広がっていくかもしれません。

【了】
提供:乗りものニュース

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