通行するだけで「4万円」なぜ? 突如として現る「この先、私有地」看板に困惑… 茨城「シーサイド道路」のトラブルはどうなった?

バリケード&通行料設定…当初は500円が…気づけば4万円に、なぜ?

 バリケードが設置されてからは通行料を支払って通行しなければいけない状況となり、通行料金も当初500円だったものが1万、2万・・・と増加し、最終的に4万円まで跳ね上がりました。

 この事態の進展につながったのは2020年に地権者の男性が死去し、2022年2月に男性の長男が私有地を相続したことです。

 神栖市は男性の長男と交渉を開始し、2023年3月に市が和解金1900万円と私有地の売買代金のほか、長男が所有する建物の移転補償費用などを支払い、市道部分とその周辺の土地を取得することで合意しました。

 ただしこれで万事解決というわけではなく、通行止めの区間には別の地権者が管理する共有地も存在しており、神栖市は今後他の地権者とも交渉を行う方針を明らかにしています。

神栖市役所のホームページに掲載されている「シーサイド道路の迂回案内」(画像引用:神栖市役所ホームページより)
神栖市役所のホームページに掲載されている「シーサイド道路の迂回案内」(画像引用:神栖市役所ホームページより)

 このシーサイド道路の事例のように、地権者が土地の測量をおこなった結果、私有地の一部に公道がかかっていたという事例は全国で発生しています。

 昔は正確に測量せず、不動産登記が確実に行われていないこともあったため、各地で同様の事態が起きているものとみられます。

 私有地の上に公道が通っているということで地権者が道路の使用料を自治体に請求するケースもありますが、道路法第4条では「道路を構成する敷地、支壁その他の物件については、私権を行使することができない。(条文を一部抜粋)」と規定。

 もともとの土地の所有者から使用許可を得ている、登記はされていないものの私有地が寄付されているなどで適法に道路の使用が開始されていれば、土地の所有者であっても使用料や占拠に関する損害賠償は認められないことが多くなっています。

 さらには公道にかかる私有地の部分を買い取りではなく、自治体から寄付するよう求められることもあります。

 そういった意味では、シーサイド道路の事例は地権者の主張が認められた珍しいケースといえるかもしれません。

【画像】通行料取られる可能性があった…問題の道路はココ! 実際の場所を写真で見る!(12枚)

参加無料!Amazonギフト券贈呈 自動車DXサミット BYD登壇 最新事例を紹介(外部リンク)

画像ギャラリー

Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

1 2

実績500万人超!お得に車売却(外部リンク)

新車不足で人気沸騰!欲しい車を中古車で探す

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る

【2025年最新】自動車保険満足度ランキング

最新記事

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー