「納車トラブル」なぜ起こる? 過去には詐欺事件に発展も! 警察も注意喚起する、騙されない「クルマの買い方」とは

クルマの購入において、「今なら安くできる。現金だからこの値段で買える。」といったうたい文句で、ユーザーから全額前入金させてそのまま納車をしないというトラブルが後を絶たないといいます。では、このようなトラブルに遭わないためにはどのようなことに気をつけたらいいのでしょうか。

納車前に全額入金させる店は危険!

 後を絶たない「納車トラブル」ですが、過去には詐欺事件にまで発展したケースも存在します。
 
 警察も注意喚起を行う、クルマの納車トラブルですが、「騙されないクルマの買い方」とは、どのようなものなのでしょうか。

後を絶たない「納車トラブル」はどのようにして防ぐことが出来るのか?(画像はイメージ)
後を絶たない「納車トラブル」はどのようにして防ぐことが出来るのか?(画像はイメージ)

 以前に世間を騒がした「デュナミスレーシング」(以下、デュナミス)の「納車詐欺」事件は、その後、経営者が詐欺罪で逮捕され2023年2月末に長野地裁で第1回公判が開かれました。
 
 被害者は100名を超えるとされていますが、社長が行方不明となり事実上の閉店となった2021年12月末に近い日付で入金したケースを対象に続々と起訴されています。現在までに5件の契約について起訴されています。

 また、2023年3月末には奈良県の「スクエアオートモーティブ」(以下、スクエア)でも同様の「入金したけど納車されない」事件が明らかになりました。

 スクエア代表N氏の破産手続きを請け負う代理人弁護士から、50名以上の被害者のところに受任通知が届いたことで被害が知られることになりました。

「お金を全額入金していただいていますが、納車できません。返金もできません」、「N氏の窮状をご理解ください」という内容は数百万円を支払って納車を心待ちにしていた人々にとって到底、受け入れられるものではありません。

 デュナミスとスクエア。デュナミスレーシングは個人の自動車販売店でスクエアはメーカーの正規販売店という違いはありますが、いずれも正規ディーラーの業販部が直接、これらのお店に新車を卸しており、納車トラブルに関しては以下のことが共通しています。

 (1)納車前に現金一括でお金を入金させている
 (2)入金先の口座は代表者の個人口座である。
 (3)詐欺的商売が加速したのはコロナ禍以降
 (4)高額なキャンセル料を請求する

 まず(1)の「現金で全額、納車前に入金させる店」は異常です。

「今なら安くできる。現金だからこの値段で買える。」などの誘い文句を信じてはいけません。中には問題なく納車されるケースもあるかもしれませんが、「現金がすぐに欲しい!」という店はそれだけ経営状態がひっ迫しているのです。

 これはチューニングショップなども同様で作業前に全額入金してくださいという店はまさに「自転車操業」状態だといえるでしょう。

 次に(2)の「入金先の口座が代表者の個人口座」という点です。

 振り込みを促すスクエアN氏のLINEには「個人口座ですがご安心の上振り込みください」と書かれていました。

 何を根拠に「ご安心」なのか不明です。また、スクエアの被害者が警察に聞いた話では「詐欺に使われる口座で最も多いのはペイペイ銀行(旧ジャパンネットバンク銀行)だといいます。

 また(3)について、「納車に時間がかかるのは、コロナで部品の調達が遅れて新車の生産が遅れているから…」という言い訳は納車トラブルで必ず使われます。

 また2022年春からはこれに「ロシア情勢」が加えられています。コロナ禍+ロシア情勢によって「納車まで時間がかかることの言い訳がしやすくなった」ということです。

 もちろん、本当にコロナ禍やロシアのウクライナ侵攻によるサプライチェーンの乱れが新車生産に影響を及ぼしている事実はあります。

 しかし、納車詐欺の現場ではこれらを言い訳にして契約者を騙すことが通常となっています。

 また、コロナ禍が詐欺的商売をしやすくしたもうひとつの理由は、「対面販売」じゃなくてもいい、ってことです。「コロナで皆さんにはお会いせず、電話とLINEで商売しています」などと言っていました。

 そして(4)では、全額支払いのあとキャンセルする場合に、「すでに発注しているからキャンセルできない」、「車両代金の3割をキャンセル料として請求する」と言われた場合は要注意です。

「合理的な額(販売店が実際に被った損害)」を超える額の請求に応じる必要はありません。

 消費者契約法でも「当該事業者に生じる平均的な損害の額を超える損害金の支払いを定めた契約条項(約款)は無効」と定めています。

 キャンセル料を請求された場合は、本当に発注しているのかなど業販を担当した正規ディーラーに確認するとともに、その内容や根拠についてしっかりと説明を求め、確認しましょう。

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2件のコメント

  1. コンビニやスーパーで買い物する場合と同じですよ。お金は目の前に車がある時だけ。
    車の場合は、諸経費で自賠責保険とナンバーの登録代で軽貨物だと先払いに70,440円掛かりました。
    車両本体+メーカーオプションの代金は現物が目の前にあったので現金で支払いました。
    特に安い買い物じゃない時は買う側が、売る側を信用するしかないわけで。
    先払いで多少の心配が残るのは通販のコンビニ決済、銀行振込くらいでしょう。

  2. 車購入することに無知な人が多いのには 驚かされます。原則車は現車が届いて車検証の所有者が
    自分であることを確認してから払うものです。いままで問題なかったからいいと思うのは人がいいと
    しか思えません。だまされたら高い授業料と思って二度とやらないように

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