F1の技術はガラパゴスなのか 市販車へのフィードバック、ホンダとトヨタは?
F1から生まれたトヨタの「おさかなちゃん」
トヨタは2002(平成14)年から2009(平成21)年までの8年間、ワークスチームとしてF1に参戦。チーム所属ドライバーの合計獲得ポイントで争う「コンストラクターズタイトル」の最高成績は、ヤルノ・トゥルーリとラルフ・シューマッハを擁した2005(平成17)年の4位で、8年間で優勝こそなかったものの、表彰台(3位以内入賞)13回、ポールポジション(予選1位)3回といった成績を残しています。
この活動を通し、市販車へとフィードバックされた技術のひとつが「おさかなちゃん」です。
「社内で『おさかなちゃん』と呼ばれている、突起のようなパーツがあるのですが、これは、水中を泳ぐのが一番速いカジキマグロにヒントを得たもので、最初はF1の空力パーツとして開発されました」(トヨタ)。
通称「おさかなちゃん」、正式には「エアロスタビライジングフィン」という名称のパーツ。トヨタがこれを最初に採用した市販車は、2011(平成23)年9月発売の9代目「カムリ」で、ドアミラーの付け根に設けられていました。
「現在ではすべてのトヨタ車において見られるパーツですが、ボディのどこに取り付ける、という性質のものではなく、車種によってさまざまな位置に採用されています」(トヨタ)
このように、市販車へ反映されているF1の技術は実在します。しかし、たとえばホンダが2017年現在のF1におけるハイブリッド技術を「将来に向けた技術」と認識しているように、また、トヨタの「エアロスタビライジングフィン」を装着した市販車の発売が、同社のF1撤退から2年後だったように、ただちに反映されるものではないといえるかもしれません。
ニューウェイ氏の発言の真意は定かではありませんが、いまのF1に見られる最新技術も、2020年ごろにはあらゆる市販車に採用され、ごくありふれたものになっている可能性がないとは言い切れないでしょう。
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提供:乗りものニュース