トンネル入口、なぜ「斜めカット」? 高速道路でよく採用 その実用的な理由とは
道路トンネルの入口(坑門)のほとんどは垂直ですが、特に高速道路では斜めにカットされたようなタイプが見受けられます。この「斜め」にはどのような意図があるのでしょうか。
圧迫感を抑えて渋滞予防
道路を走っていると、トンネルを通過することがあります。トンネルの入口というと、その大半は切り口が垂直ですが、なかには「斜め」もあります。なぜ「斜めカット」になっているのでしょうか。
斜めカットの道路トンネルは、竹を割ったような形であることから「竹割式坑門」と呼ばれており、特に高速道路で多く見受けられます。
竹割式坑門を採用する理由は、主に進入時の圧迫感を軽減するためです。
入口が従来の垂直タイプだと、ドライバーは圧迫されているような感覚になります。この圧迫感は、トンネルに入ってからではなく入る直前から感じるため、トンネルの入口を広く見せることで、少しでもトンネルによる圧迫感を抑えているのです。
特に高速道路は走行速度が速いため、感じる圧迫感は一般道と比べると大きいでしょう。そのため、竹割式坑門は高速道路でよく採用されます。
トンネルの入口は、地形や景観、施工性、維持管理のしやすさなど、様々な要素を組み合わせて最適な形状が決められます。そのため、圧迫感を軽減するためだけで採用されるわけではありませんが、大きな理由の1つでもあります。
竹割式坑門は、ドライバーの圧迫感を軽減する効果がありますが、これによって渋滞を抑制する効果も期待できます。
トンネルは元々、高速道路の渋滞のボトルネックとして認識されることが多い場所です。トンネルで渋滞が発生する理由は、ドライバーの無意識な速度低下にあります。
先述の通り、トンネルに差し掛かるとドライバーは圧迫感を覚えます。そうすると無意識のうちにアクセルを緩めて速度を落としてしまうのです。そのため圧迫感が減ると無意識の速度低下も抑制でき、渋滞の抑制につながります。
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