新車より安くてお得!?「中古のハイブリッド車」買うなら年式が新しい方が良い? HVならではの選び方とは

メインバッテリーの交換がかなり高額になることも…

 では、ハイブリッドの中古車を購入する前に、記録簿などでメンテナンス履歴をチェックする以外に注意すべきポイントはあるのでしょうか。

「ハイブリッドならではの問題として、システム駆動用のメインバッテリーの劣化に注意する必要があります。

 一般的には5年、または10万kmでメインバッテリーの交換が推奨されており、メインバッテリーが劣化すると、それだけガソリンエンジンの仕事量が増え、結果として燃費も悪化します。

 しかもメインバッテリーの交換費用は20万円から40万円とかなり高額です。せっかく安価で手に入れたハイブリッド車でも、かなり多くの出費が必要となることもあります」(F整備士)

トヨタのハイブリッド車「プリウス」(4代目)のエンジンルーム
トヨタのハイブリッド車「プリウス」(4代目)のエンジンルーム

 ハイブリッド車とガソリン車ではその価格差と燃費性能を考慮した場合、どちらが最終的に支出を抑えられるかは常に議論となるところ。

「エコカー減税」などの優遇減税があったとしても、ここでさらにメインバッテリー交換費用が加わってしまうと、結果的にガソリン車のほうがお得だったということになりかねません。

「メインバッテリーだけでなく、ハイブリッド車は通常のバッテリーである補機バッテリーも装備しえいるため、劣化していればガソリン車と同じタイミングの交換が必要ですし、もちろんエンジンオイルも交換が必要です。

 ただハイブリッド車の場合は下取り価格も高めで値落ちしにくいほか、EVモードで走れば騒音も小さいので、住宅街でもあまり気を遣わなくて済むというメリットもあります。長距離を走る機会が多い人には良い選択でしょう」(F整備士)

 逆にいえば、1か月に1000kmも乗らない人は、ハイブリッドの中古車を購入するメリットは少ないといえ、ガソリン車を選んでも大丈夫といえそうです。

※ ※ ※

 ハイブリッドの中古車は、経年劣化した部分を補って、ハイブリッドシステムの状態をいかに好調に保つかがポイントになりそうです。

 そのためにも、割高感はあっても、できるだけ新しい年式の中古車を選ぶほうがメリットを感じられるのではないでしょうか。

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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