車の「オイル交換」なぜ必要? 変えないとヤバイ? 「高級オイル」は長持ちする? 知られざる「車の血液」の役割とメンテナンスが必要なワケ

乗らなくても交換必要? 高いオイルは長めの交換でも大丈夫?

 エンジンオイルは7つもの役割があり定期的に交換しなくてはなりませんが、クルマに乗らなければエンジンオイルは交換しなくても良いのでしょうか。
 
 また、エンジンオイルも高価なものと安価なものがありますが、高価なものを使えば交換頻度は減るのでしょうか。

定期的に交換していれば30年ほど経過したエンジンもこのようにキレイに保てる
定期的に交換していれば30年ほど経過したエンジンもこのようにキレイに保てる

 これについて、先出の自動車整備士は以下のように話します。

「エンジンオイルはもちろん、エンジンを始動して走行を重ねれば汚れますし、徐々に本来の性能も発揮できなくなります。

 しかし、実はほとんど乗らない状態であっても劣化は避けられません。エンジンには多少なりとも隙間があるために、外気と触れて酸化するほか、温度差により水分が発生し『乳化』が起きます。これによって徐々に劣化が進み、乗らなくても性能は低下していくのです」

 乗らずに置いていれば交換しなくても良いというわけではなく、ある程度の期間を目安に交換するほうがエンジンにとっては優しいようです。

 では、交換頻度についてはどうなのでしょうか。近年のクルマでは、整備手帳やメンテナンスノートに1年・1万kmごとの交換を推奨していると示されているようですが、自動車整備士は早めの交換が望ましいと言います。

「推奨される交換頻度としては、5000kmに1回または半年に1回のいずれか早い方が一般的には推奨されています。

 近年のエンジン・エンジンオイルは、ともに性能はかなり向上してはいますが、交換しない限り汚れが溜まっていく一方なので、長く乗るためにはやはり早めに交換するほうが望ましいです。

 また、低燃費性能やクリーンな排出ガスを実現するために、『直噴エンジン』や『リーンバーンエンジン』などが採用されているクルマもありますが、これらは仕組み上エンジンオイルが汚れやすい傾向にあるので、最近のクルマでも早めの交換をするほうが長持ちします。

 とはいえ、一般的な乗り方では2、3000kmでかなり汚れが溜まることは少ないので、早すぎる交換はあまり意味がないと思います。走行距離を重ねたクルマやエンジン内部が汚れているクルマであれば、3000km程度の交換を繰り返すと堆積したスラッジの洗浄効果を発揮できるケースもあります」(自動車整備士)

 定期的なオイル交換を行うことは大切ですが、オイル代金や工賃、さらに手間を考えると極力効率的に行いたいものです。

 そんななか、カー用品店や販売店などへ行くと、高性能で高価なオイルが販売されていますが、交換サイクルも伸ばして良いものなのでしょうか。

「高性能オイルは100%合成された精製油であることが多く、レースなどでエンジンの高負荷・高回転が続く状況で、耐熱性能に優れていたり、オイル分子が細かいなどで耐摩耗性に強いなどの効果があります。

 サーキット走行をする方や日常のドライビングで高回転型のエンジンを楽しみたいという方にはレスポンス向上などの効果を実感できるかもしれませんが、日常的なクルマの乗り方ですと、あまり効果を実感できないため、『普通のオイルをこまめに交換』のほうが望ましいでしょう。

 高くていいオイルだからと言って何万kmも無交換で良い、などということはありえません」

 なおエンジンオイルにも種類があり、オイルの粘度や温度特性を表す指標やオイル成分が鉱物によるものか合成油かなど、多岐に渡っています。

 同じエンジンであってもクルマの乗り方により選び方も変わってくるようなので、オイル交換時に自分の乗り方にあったものを選ぶというのも面白いかもしれません。

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