「買えるうちに買っとけ!」日産「GT-R」フィーバーなぜ続く? 全面刷新せずとも人気が衰えないワケ
2007年にデビュー以来、日産「GT-R」は15年以上にわたって販売され続けています。内燃機関最後ともいわれるR35型GT-Rが人気を維持し続ける理由はどこにあるのでしょうか。
GT-R 2024年モデル登場!
日産のスーパースポーツカー「GT-R」の2024モデルが発表されました。2007年のデビューから15年以上が経過したいまでも、GT-Rはフルモデルチェンジをせずに販売され続けています。
当初は800万円を切る777万円からという価格設定でしたが、現在はエントリーグレードでも1375万円からと、500万円以上の値上がりをしました。
ちなみに、2024年モデルの最上級モデル「GT-R NISMO スペシャルエディション」は2915万円という、3000万円に迫る価格となっています。
しかし、GT-Rの人気は衰えることはありません。ここ数年のGT-Rフィーバーは、「内燃機関最後のGT-Rを買える時に買おう!」という、そんな風潮も大きく影響していると言えます。
GT-Rは日産のなかでもトップに君臨するスポーツモデル。燃費だって良くないし、騒音もほかモデルに比べたら大きいです。近年はメーカー全体での平均燃費基準に規制を設けるCAFE規制やロードノイズまでも騒音とされる新しい騒音規制に加え、欧州を中心に進む電動化などから、内燃機関のみのGT-Rは現在販売されているR35型が最後ではないかと言われています。
そのような背景から、ここ近年は「買える時に買っとけ!」という雰囲気でGT-R人気となっています。
内燃機関最後と騒がれているのはGT-Rに限った話ではありません。2010年前後は今ほど各メーカーからスポーツカーが販売されておらず、スポーツカー冬の時代といった時期です。そんな時期を乗り越え、GT-Rは今日まで生き残ってきました。
2024年モデルでは、厳しくなりつつある社外騒音規制に対応するため、マフラーを新たに開発しており、これは、それだけ頑張る価値があると日産が判断した表れとも言えるでしょう。
その理由はどこにあるのでしょうか。
第一に、GT-Rというブランドが大きいと言えます。国内を中心としたモータースポーツシーンでの活躍、そして日本のチューニング全盛期を第一線で支えたベースマシン、そんな伝統を引き継いできたGT-Rは、欧州のスポーツカーにはない独特な世界観を持っていると言えます。
その独特の世界観こそが今日のGT-Rというブランドイメージを創り出していて、それが人気に繋がっているのではないでしょうか。
GT-Rと同じく2010年代に発売されていたレクサス「LFA」やホンダ「NSX」ももちろん素晴らしいスポーツカーでしたが、やはり日本を代表するスポーツカーと言えばGT-Rをイメージする人が多い最大の理由がココにあるはずです。
また、GT-Rはフルモデルチェンジしない中でも、進化をやめることなくスペックが向上しているのも人気の理由と言えます。
スポーツカーと言えばスペック自体もイメージやマーケティング上重要な要素です。スペックが進化し続けているからこそ、GT-Rはその魅力が色あせることなく人気が続いているのです。
登場初期からイヤーモデル制を採用しているため、幾度となく改良が行われています。そこには当初の基本設計がありました。
少量生産のスポーツカーであるGT-Rは、日産車のなかでも独自のメカニズムを多く採用しています。そんなGT-Rのメカニズムを変更させて進化していくのはコスト的にも難しいのです。
しかし、世界のスポーツカーたちは毎年ニューモデルが登場して、スポーツカーの平均スペックは上がっています。そんな未来を見据えてか、もともとGT-Rは、年々スペックを進化させても対応できるような基本設計が採用されているのです。
欧州のスポーツカーやアメリカンマッスルにはない、独自のGT-Rという世界観。そして常に進化していく性能。この2つが今日のGT-R人気を支えているのではないでしょうか。
日本人のクルマ好きとして、この国にGT-Rがあることを誇りに思います。
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