あれッ!? シフトレバーない? 日産新型「セレナ」の斬新「スイッチ式シフト」“70年前”からあった!? ユニークなシフト方式3選
2022年11月28日に発表された日産新型「セレナ」にボタン式シフトが採用され、斬新だと一部で話題となりましたが、そんな“斬新なシフト”はセレナだけではありません。今回は斬新なシフト方式を3つ紹介します。
時代を変えた?変えなかった?斬新シフト方式3選
どんなにクルマが進化しても古くから存在している部分は多くありますが、その中でもギアを選択するために操作するシフト部分は、長らく存在し続けているものと言えるでしょう。
自らでクラッチペダルを踏み込み、ギアを選択するマニュアルトランスミッション(MT)が主流だった頃はもちろんですが、それがオートマチックトランスミッション(AT)になり、ハイブリッド車や電気自動車が登場した現在でも、前進や後退、そして駐車などの動作が必要な限り、なくなることはないであろうシフトですが、その形状自体は、メーカーや車種ごと、そして時代ごとで様々な種類があります。
そこで今回は現在までに登場した、斬新なシフト方式を3種類紹介します。
ジョイスティックタイプ
形状自体は従来と同等のシフトレバーに近いものとなっていますが、操作した後に中立部分に戻る特徴があるジョイスティックタイプは、トヨタ「プリウス」に採用されていることで知られています。
初代プリウスこそ、よくあるコラム式ATとなっていましたが、2003年に登場した2代目プリウスからこの方式が採用され、2023年の1月に登場した5代目モデルでも同様のものが搭載されています。
プリウス以外でも日産「リーフ」や「ノート(e-POWERモデル)」、三菱「アウトランダーPHEV」などにも採用されており、電動車の特徴のひとつともなっていますが、一部ではシフトが常に中立部分に戻るため、どのギアに入っているか分かりにくいという声もあるようです。
ボタン/スイッチタイプ
2022年末に登場した日産新型「セレナ」が採用したことでも話題となったのが、ボタン/スイッチタイプのシフトです。
セレナの場合は左から「P」、「R」、「N」、「D/B」と横並びになっており、誤作動防止のためにそれぞれのボタンの大きさを変えていたり、突起をボタンに設けたりすることで判断しやすいようになっています。
このボタン/スイッチタイプのシフトはセレナが初ではなく、ホンダでは「エレクトリックギアセレクター」という名称で2013年に登場した9代目「アコードハイブリッド」から採用しており、現在でもホンダでは「シビック」や「ステップワゴン」のハイブリッドモデルに採用されています。
また、アバルト「595」に搭載されている「アバルトコンペティツィオーネ」も同様のボタン/スイッチタイプのシフトが採用されており、特別感を演出しているのです。
そんなボタン/スイッチタイプのシフトですが、古くは1950~60年代に存在していたクライスラーが展開していた高級車ブランドである「インペリアル」モデルではすでに採用されており、意外にも長い歴史を持っています。
ダイヤル式タイプ
現在では同じグループに所属しているジャガーやランドローバーで採用されていたダイヤル式も斬新なシフトのひとつと言えるでしょう。
キーオフの状態ではコンソールに格納され、フラットな状態となっていますが、キーをオンにするとダイヤルがせり上がってくるというギミックはさすが高級ブランド車といったところ。
現在は両メーカーともダイヤル式は採用していませんが、現在人気を集めているシトロエン「ベルランゴ」/プジョー「リフター」といったフランスのMPV車両や、珍しいところではトラックの日野「プロフィア」などもダイヤル式を採用しており、ボタン/スイッチタイプと同じく省スペースでスマートな見た目が特徴となっています。
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このように実はさまざまなタイプが存在していたシフトの形状。
今はまだどの形状がベストなのか模索している感もあり、従来のタイプが引き続き採用され続けるのか、新しい形状のものが主流となるのかは分かりませんが、もしかしたら今後は音声でシフト操作をする車種が出てくるかもしれません。
いずれにしてもシフトの形状にかかわらず、操作をするときはしっかりどのギアに入っているのかを確認し、シフト操作ミスで事故が起きないようにしたいところです。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
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