全国各地で、建物の敷地内などにダミーのパトカーが置かれていることがあります。
　
　では、ダミーのパトカーはどこまで本物に似せても良いのでしょうか。また公道を走ることはできるのでしょうか。

　草ヒロ写真館byぱぁたん（@abandoned_hero）さんは、愛知県蟹江町内に設置されているダミーのパトカーの写真とともに以下のコメントを投稿しています。

「かなり高い完成度を誇る100系マークII
ホンモノのパトカーと同じブーメラン型のパトライトを装備
実はこれ、中古車販売商工組合JUが製作・寄贈したもの
中古車を交通安全に役立てる素晴らしい取り組みです
愛知県警に実在した100マなのもポイント高い」

　写真には、道路脇に設置された白黒で赤色ランプを付けたパトカーそっくりのクルマが
映っており、さらにクルマの側面には「蟹江パトロール」との文字が入っています。

　クルマの中にはヘルメットをかぶったマネキンが運転席と助手席に座っているほか、ナンバープレートを「蟹江110」にする徹底ぶりです。

　このクルマはぱぁたんさんのコメントのとおり、交通安全に役立ててもらうため、愛知県中古自動車販売商工組合（JU愛知）が愛知県交通安全協会蟹江支部と蟹江安全運転管理協議会に贈呈したものです。

　見た目がかなりパトカーに似ているため、ドライバーの交通違反や事故の抑止に効果があるといえそうです。

　同様の取り組みは他の場所でもおこなわれており、ポイ捨てを防止するために兵庫県丹波市の男性が、兵庫県警に確認を取った上で自宅の庭の一角に本物そっくりのパトカーを設置したという事例もあります。

　その結果、ポイ捨てをされなくなったり、近くの道路を通過するドライバーが速度を落とすようになったりと防犯面や交通安全に有効だったようです。

　ではパトカーにそっくりなクルマを製作する場合、白黒である、赤色ランプが付いている、サイレンが鳴るといった特徴に関して、どこまで本物に似せてもよいのでしょうか。

　実は法律上クルマの色を白黒に変えることは問題がなく、パトカーのような白黒ラッピングをしたクルマを走らせることは可能です。

　ただし、車体に「○○県警」や「POLICE」などのロゴを入れることは禁止されており、偽造公記号使用の罪などに問われる可能性があるため注意しなければいけません。

　さらに、道路運送車両の保安基準第42条「その他の灯火等の制限」の規定により、パトカーや救急車、消防車などの緊急自動車以外のクルマは赤色ランプを装着して走行してはならないと決まっています。

　つまり、先ほど紹介したダミーパトカーのように公道を走らせない場合は赤色ランプを付けたクルマを製作しても良いですが、赤色ランプを装着したまま公道を走ることはできないのです。

　そして、クルマにサイレンを備え付けることに関しても各都道府県の道路交通規則で禁止されています。

　たとえば東京都では、道路交通規則の第8条第13号では「令第13条第1項各号に掲げる自動車（緊急自動車）以外の自動車若しくは原動機付自転車を運転するときは、緊急自動車の警光灯と紛らわしい灯火を点灯し、又はサイレン音若しくはこれと類似する音を発しないこと」と定められており、クルマで公道を走る際に赤色ランプを点灯したり、サイレンを鳴らしてはいけないことが明記されています。

　そのほか警察の制服に類似した服を着用し、警察官のフリをして人に声をかけるなどの行為についても軽犯罪法となる可能性があるため、コスプレをする際にも注意が必要といえるでしょう。

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　各地でパトカーを模したクルマが製作され、交通安全や防犯面で役立てられています。

　公道を走らせずオブジェのように使用する場合は赤色ランプをつけても良いですが、そのまま公道を走ってはいけません。

　パトカーにそっくりなクルマを製作する際には、法令についてよく理解し、警察に確認するなどの対応を取ることが重要です。