レクサス初のBEV専用モデル「RZ」を体感! フランスの道で感じた印象はいかに

RZに感じた「プラスα」とはなんなのか?

パワートレインはどうでしょうか。

 システム出力230kWなのでパフォーマンス的には十分以上ですが、プレミアム系のBEVによくあるモリモリ湧き出るパワー感や凄い加速ではなく、余計なピッチングもなく滑らかにスーッと加速していつのまに速度が出ているというフィーリングです。

 そういう意味では、レクサスの「スッキリと奥深く」の世界観に合った加速と言えるでしょう。

 ちなみにECO/ノーマルモードはこれでいいと思いますが、スポーツモードは「ちょっと良くなった?」と言う変化代なので、もっとモーター制御の自在性や出力の出しやすさを活かした“アメージング”な特性が欲しいと思いました。

 また、ASCを活用して「音」がプラスされていますが、その音は、レクサス「LFA」がヤマハ(発動機ではなく音楽のほう)と音作りを行なったように、RZも電気自動車にふわさいい音作りをもっと徹底してほしいなと感じました。

レクサス初のBEV専用モデル「RZ」は今後どうなっていくのか?
レクサス初のBEV専用モデル「RZ」は今後どうなっていくのか?

 そろそろ結論に行きましょう。

 RZは単なる「BEV専用車」ではなく、「レクサスならではのドライビング体験」をより明確にする存在と言えるモデルだと感じました。

 現時点ではBEVは航続距離、充電時間、充電インフラなど不便があるのも事実です。

 そんな過渡期の世の中であえてBEVを選んでもらうためには、筆者は内燃機関では得られない「プラスα」が重要だと考えています。

 ではRZの「プラスα」は何なのか。

 それは「凄い加速」ではなく、気持ちの良い「曲がり」です。

 つまり、豊田章男社長がRZのテストカーに乗った際の映像で「何コレ!? ワォ!」と驚いた理由は、そういう事です。

 発売は欧州・中国を皮切りにグローバルに展開、日本はノーマルステアが2023年度中に導入される計画ですが、残念なのは本命のステアバイワイヤの導入が遅れる事です。

 開発陣は「より自然な制御にするため」と教えてくれましたが、個人的には現時点でも十分商品性はあると思っています。
 厳しく言ってしまうと、モノには「タイミング」があり、それを逃してしまうとせっかくの武器が活かせない可能性も否めません。

 今のトヨタはユーザーの意見をフィードバックし、共に成長していくと言う考えを取っています。

 それはレクサスも同じで、新しい時代のユーザーとの「絆」、そして「おもてなし」に繋がるのではないでしょうか。

 そう思うと、個人的にはまずは投入してシステムを理解してもらう事が大事で、それからオンラインもしくはディーラーでのアップデート対応を行なうべきだと思っており、早急なステアバイワイヤの投入を切望します。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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