え! 「スカイライン」にハッチバック? 「クラウン」よりスゴイ! 「勘違い」されがちな“老舗ブランド”スカイラインの「本質」とは
走り屋イメージも強い日産「スカイライン」ですが、本来はもっと幅広いユーザーに向けてつくられたモデルでした。60年以上の歴史を持つ老舗ブランドが今後も維持するためには、そうした本質を再認識する必要があるかもしれません。
「スカイライン」が全て「スポーツ」という「勘違い」
1957年の初代デビュー以来、65年以上に渡り今も続く日産随一の老舗ブランド「スカイライン」は、コアな走り屋のための「スポーツセダン」というイメージが強いですが、本来はもっと幅広いユーザーに向けたモデルであると同時に、時代の最先端をゆく役目も果たしていました。
同じく60年以上の歴史を持つトヨタ「クラウン」がSUVなどに大変革していく中、スカイラインがこの先も生き残るために、日産は何をすべきなのでしょうか。
1950年代にはじまり、1960年代に花開いた日本のマイカー時代。当時生まれたクルマの多くは姿を消しましたが、一部のクルマは今なおその名を残しています。
しかも「セダン」の基本型を貫き通しているクルマがあります。それが、スカイラインです。
またスカイラインといえば、高性能スポーツセダンの代名詞。モータースポーツでの活躍はあまりにも有名で、スカイラインのスポーティネスを物語っています。
でもスカイラインの歴史を遡ってみると、実はスカイライン=スポーツセダンとは厳密には言い切れないこともありました。
まず、1957年に生まれた初代スカイラインは、トヨタ クラウンなどの国産高級車がライバルでした。ただし凝った足回りや高出力エンジンがもたらす性能の高さは、スカイラインにスポーティな性格を与えていたのも確か。
さらに「スカイライン・スポーツ」という、極めて高価で贅沢なクーペおよびコンバーチブルモデルも存在しました。
1963年登場の2代目(S50型)では、高級車のポジションを「グロリア」に譲り、1.5リッタークラスの小型車に変わりましたが、伸ばしたノーズに6気筒エンジンを押し込んだ「2000GT」の追加により、スカイラインがスポーティであるという印象を高めました。
続く3代目・C10系(ハコスカ)は、2000GTのヒットやGT-Rの鮮烈なデビューなどにより、現在に至るスカイラインのイメージを強く決定づけています。
一方でハコスカは、1.5リッターや1.8リッター 4気筒モデルも人気がありました。その後も、「6気筒よりノーズが軽い4気筒のほうが、フットワークに優れている」と評された4気筒モデルは、6代目・R30型まで販売台数の多くを占めました(6気筒と併売された4気筒モデルはその後8代目・R32型まで存続)。
その証拠に、4代目・C110型(ケンメリ)から6代目まで、4気筒モデルには「TI」(ツーリング・インターナショナル)という名称が与えられ、GTと並行した別のシリーズであることを強調していました。
その性格は「軽快な走りが楽しめ、燃費にも優れたスポーティなセダン」と言えるもの。日産の屋台骨を支える重要な使命を受けた量販車だったのです。
もちろんそこには「レースで強いスカイライン」という、長年培ったイメージも手助けしていました。
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