三菱ふそう新型トラック「eCanter」登場! 一気に28型式展開、航続距離は用途次第…実現のカラクリは?
三菱ふそうトラック・バスが、電気小型トラック「eCanter」をフルモデルチェンジしました。どのように進化したのでしょうか。
モジュール式バッテリーを採用
三菱ふそうトラック・バスは2023年3月9日、電気小型トラック「eCanter」をフルモデルチェンジし、発売しました。
eCanterは、2017年に国内商用車メーカー初の量産型電気小型トラックとして登場。2020年には先進安全装備を拡充しています。
そして今回登場した新型eCanterは、モーターを後軸に統合した独自開発の電動アクスル(eAxle)を採用し、ドライブトレインをコンパクトな構造にすることでシャシや架装バリエーションの大幅拡大を実現。従来は1型式でしたが、新型の国内モデルは合計28型式から選べます。
また、動力取り出し装置(ePTO)も新たに採用し、ダンプ、キャリアカー、脱着車、リヤクレーン、ゴミ収集車といった架装にも対応します。
車両は、従来の車両総重量7.5トンクラスに加え、5トンクラスから最大8トンクラスまで展開。
キャブバリエーションは、従来モデルと同等のワイドキャブに加え、小回りの利く標準幅キャブ、中型トラック「ファイター」と同等のEX拡幅キャブの3種類です。
ホイールベースは、ラストワンマイル輸送向けの2500mmから、中型車クラスの4750mmまでそろえます。
そしてバッテリーも刷新します。ホイールベースに応じてバッテリーを1個から最大3個まで搭載できるモジュール式を採用。1充電あたり99kmから最大324kmまでの航続距離を確保し、ラストワンマイル輸送からより長距離輸送まで用途に合わせてモデルを選べます。
このほか、ステアリングヒーターとシートヒーターをオプション設定し、必要な箇所だけを温める省電力機能を追加。電力消費を抑えながら曇りを除去するウィンドシールドヒーターもオプションで加えています。
さらに、寒い時に稼働開始時刻を事前予約して、稼働開始時に高いパフォーマンスを発揮できる「バッテリープレコンディショニング」機能も新たに標準搭載しています。
外部給電システムも新たに搭載。自動でハイビームやロービームに切り替える「インテリジェント・ヘッドライト・コントロール」、交通標識認識機能「トラフィック・サイン・レコグニション」、坂道などで安定した制動力を保持する「電動パーキングブレーキ」、バックカメラで後退時の事故のリスクを軽減する「バックアイカメラシステム」を新たに標準装備するなど、先進安全機能も大幅に拡充しています。
外観は、電気の配線色に多く用いられるオレンジをキーカラーとして配置し、EVトラックらしさを表現。車内には、高い視認性とステアリングホイール上のボタンでメニュー操作できる10インチの液晶メーターを新たに搭載しています。
新型eCanterの参考価格(東京地区、消費税込み)は、1370万500円から2005万800円です。
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