「鬼ヤバい」時間によって“走れる道”が違う!? 名古屋市に存在する初見殺しな「バスレーン」複雑な道路事情とは

「愛知といえばトヨタ」と思い浮かぶほど、クルマのイメージが強い愛知県ですが、名古屋市には初見ドライバーが思わず混乱してしまう道路が存在するといいます。どのような道路なのでしょうか。

これは初見殺し! 複雑すぎる「基幹バスレーン」とは

 名古屋市には、クルマで初めて通る人が必ず戸惑うと話題のバスレーンが存在します。では、どのような特徴があるのでしょうか。

名古屋の複雑な「バスレーン」とは
名古屋の複雑な「バスレーン」とは

 愛知県は日本を代表する大企業のトヨタ自動車が本社を構えていることもあり、2022年3月現在、都道府県別・車種別自動車保有台数で全国1位を誇るなど、クルマ中心の都市となっています。

 そんな愛知県の名古屋市には、初めて通るドライバーが必ずといって良いほど戸惑う不思議なバスレーンがあります。

 それは、名古屋市中区の栄から引山、および名古屋駅から光ヶ丘を結ぶ基幹バス2号系統「新出来町線」に存在。

 バスの所要時間を向上させるための取り組みとして、道路にバスレーンを設けています。

 新出来町線では平日の7時から9時、17時から19時の間(桜通大津から引山間)を「基幹バス専用レーン」として、それ以外の曜日・時間帯は「バス優先レーン」として、 一般のクルマでも基幹バスレーンを走行できる仕組みです。

 新出来町線の最大の特徴として、一部区間を除き「中央走行方式」を採用しています。

 バスレーンは一般的に車道の左側に設けられることが多いですが、新出来町線の基幹バスレーンは道路の中央部にあり、乗り降りも道路中央部にあるバス停で行うというものです。

 これについてSNSでは、「愛知県民ならこの絶景わかるよね」「基幹バスレーンは鬼ヤバい」「ここ慣れてないとホント事故りそうになる」との声も上がっており、なかには「初見殺し!」と初心者ドライバーでは混乱してしまうほどの複雑さだといいます。

 この基幹バスレーンの危険性について、名古屋市中区のペーパードライバー向けスクールを運営するarcペーパードライバースクールは、ウェブサイトで以下のように説明しています。

「基幹バスレーンは、複数車線のあるうち中央車線をバスが走行しているため、対象区間について交差点によって、さまざまな道路標識が並ぶケースがあるため、混乱してしまいがちになります」

 例えば、名古屋市千種区にある谷口交差点では、名古屋駅方面へ向かう県道215号線の車道に、進行方向を示す4つの道路標識が並んでいます。

 左から「左折、直進、右折、直進(基幹バスレーン)」で、右折専用レーンは右端ではなく直進レーンに挟まれている順番です。

 基幹バスレーンは分かりやすいように路面が専用の色に塗装されていますが、こうした複雑な車線状況に加えて、時間によって一般車両のバスレーン走行が規制されるため、どの時間にどの車線を走って良いのか分からなくなるといった状況になりかねないと考えられるでしょう。

 過去には、バスレーンを走っていた乗用車が交差点で反対車線に進入し逆走したケースや、市バスが交差点で反対車線に進入し逆走しているケースも。

 また実際に、2017年12月には基幹バスレーン区間で自転車と乗用車が衝突する死亡事故も起きています。

※ ※ ※

 一方で、前出のarcペーパードライバースクールの担当者は、運転時のポイントについて以下のように説明しています。

「車線が入り乱れているとはいえ、セパレート信号により右折する一般車両と直進する基幹バスが交錯するということはなく、道路自体にも矢印で右折指示が出ているので、初めて走る人でも冷静に周りを見ていただければ問題ないと思います。

 ただし、基幹バスレーンがバス専用の時間帯であっても一般車両が走行していたり、バスレーンに入ったり出たりを行っている一般車両がいる場合があるため、非常に危険と感じるのも正直なところではあります。

 基幹バスレーンを走行している一般車両が、突然一般レーンに入ってくるといったこともあり、ヒヤッとした経験が私も今まで何度かありました。基幹バスレーンを走行する際は周りを確認しながら走行することはいつも以上に意識してなければなりません」

 ドライバーの中には、バスレーン専用の時間帯でも一般車両が蛇行しているケースもあるなど、ルールを知らぬまま走行している人もいるようです。

 このように、初めて運転する人は思わずドキッとしてしまうような道路といえます。

 とはいえ、今回紹介した基幹バスレーンは、クルマの中心の名古屋市ならではの特徴的な道路のひとつといえるでしょう。名古屋市をクルマで訪れる際は、基幹バスレーンでの運転にくれぐれも注意するようにしましょう。

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4件のコメント

  1. 初見でなくても怖いのは
    本来バス停はどの時間帯も侵入禁止なのに通過する車がいること
    千代田橋南から東海病院西にかけて
    右折する場合は約200メートルで
    右折レーンに移動しなきゃ行けないのに
    制限速度40kmなのに倍くらいで汁谷から飛び出してくる車がいること
    朝6時台はまさに初見殺しです

  2. 名古屋市民ですが、本気でコレ廃止してほしい。記事のとおり殺人級の右折レーン。幹線道路なのにバス専用レーンの時間帯は実質1車線に狭められる。そしてこの馬鹿馬鹿しい机上論ルールに付き合いきれないドライバーがけっきょくバスレーンに流入するからバスレーンも混む。
    現に何度も横転とか派手な事故も起きていて、民間なら効果検証して廃止モノの愚策。
    呑気な紹介記事だけでなくて名古屋市に問題提起してくれませんか〜?

  3. この路線使ってました。電車にする費用がないのでこの方式にしたそうです。
    普通に左側優先レーンを走っていた時の通勤時間帯は、一般車が入り込んで徒歩20分の距離に2時間かかりました。分かりにくい道路になった原因は、一般ドライバーが作ったのです。

  4. この路線使ってました。電車にする費用がないのでこの方式にしたそうです。
    普通に左側優先レーンを走っていた時の通勤時間帯は、一般車が入り込んで徒歩20分の距離に2時間かかりました。
    分かりにくい道路になった原因を作ったのは、一般ドライバーなのです。

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