沖縄に来てもみんな「タクシー」乗らない? レンタカー“不足”でも利用客増えず… 売上の「追い風」とならない理由とは
タクシーにとってレンタカー不足は「追い風」にならない
沖縄県内でレンタカーが不足していることは、タクシー事業者にとっては「追い風」になっているかもしれません。実際に売り上げや利用客は増加しているのでしょうか。

実はタクシー事業者にとって、あまり売り上げの増加は感じないと言います。沖縄県のタクシー運転手は、以下のように話します。
「本土からの観光客は徐々に増え始めていますが、とは言えあまり売り上げが増えたとは思いませんね。
実は沖縄のタクシーは地元の利用者が多いんですが、短距離が多いんです。稼ぎ頭としては外国の方の利用に頼っていることがありますが、中国からクルーズ船や飛行機が来ない今では影響が大きいですね」
2023年1月には中国でゼロコロナ政策が実質的に終わったものの、中国と那覇を結ぶ航空7路線は2月末現在もすべて運休中。
観光産業に支えられる沖縄にとって、インバウンド需要の低下による影響は現在も続いているようです。
「あとは、最近では観光客向けのシャトルバスが多く運行されていることもあり、タクシーの出番が少ないのかもしれませんね。
沖縄へ旅行に来る方はリピーターが多く、(タクシーに)空港で乗せても沖縄のことをよく知っているので、県内を周遊するのにタクシーを貸し切りなどで使う方が最近はいないんです」(前出のタクシー運転手)
この運転手によると、実際に空港から各観光地に向かうバス路線が充実しており、タクシーよりも安価なバスを使うケースが多い傾向にあるそうです。
つまり、レンタカーが利用しづらいからといって観光客はタクシーへと流れたわけではなく、また、訪日客数も回復途上であるため、状況は大きく変わっていないようです。
※ ※ ※
沖縄でタクシーは、地域の足になるほか、バス路線の少ない地域や、ドアtoドアで移動したい人にとって必要な存在であるといえます。
「5月から中国からのクルーズ船の寄港が再開する」(前出のタクシー運転手)こともあるため、今後、沖縄のタクシーの「追い風」は、レンタカー不足ではなく海外から再び吹いてくるかもしれません。
Writer: くるまのニュース編集部
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