なぜ「落書き放置車両」撤去しない? 羽田空港「P5」に6台も放置中? 管理会社がすぐに対応出来ない理由とは
日本各地の商業施設や公共施設の駐車場では長年放置されたと見られる車両を見かけることがあります。とくに全国の空港駐車場には度々話題となる放置車両も存在しますが、なぜ管理会社は対応しないのでしょうか。
関空、成田、羽田…国際空港駐車場には放置車両多数?
東京国際空港(以下、羽田空港)には、第1ターミナルのP1/2、第2ターミナルのP3/4、そして主に国際線が発着する第3ターミナルのP5という合計5か所の駐車場があります。
昨今、SNSで話題になっているトヨタ「アベンシス」など数年単位で放置されている駐車車両は、P5での目撃例が多いようです。
筆者と編集部のスタッフが2月にP5を訪れた際には1階から9階までざっと見ただけで6台の放置車両らしきクルマを見ることができました。
車種はアベンシスの他にトヨタ「ラクティス」、「SAI」、ホンダ「S‐MX」などが見られ、9階(屋上)には10年近く放置されているというメルセデス・ベンツがあると聞いて行ってみましたが、それらしきクルマは見当たりませんでした。最近になって撤去されたのかもしれません。
また、羽田空港以外にも関西国際空港や成田国際空港、中部国際空港など国際便が多く発着する空港駐車場も、数年単位で放置されているクルマがあると聞きます。
これらの長期放置車両は外国人の所有である場合が多いという情報もありました。
今回、空港関係者や不法駐車問題に強い弁護士、放置車両撤去の専門業者などに取材したところ以下の可能性が考えられるといいます。
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・価値の低い中古車で空港まで来てそのまま海外に帰国。クルマは駐車場に「乗り捨て」
・海外に出たが、コロナの影響で日本に長い間入国できていない
・コロナ明けでやっと日本に戻ったが駐車料金があまりにも高額になっていてそのまま放置
・盗難に関わったクルマなので空港駐車場に放置
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なお、関空、羽田空港、成田空港すべての駐車場の利用規定には「入車日から起算して引き続き20日を超えて、同一の車両を駐車してはならない。(事前に届出のあった場合を除く)」と記されており、20日間連続で駐車をすることは、原則として禁止されていることになります。
さらに、許可なく20日間を超えて駐車しているクルマに対しては車両の保管契約を終了することとし、駐車位置の変更や所有者への引取り依頼など、必要な措置を講ずることができるとも規定されています。
しかし、羽田空港の駐車場には放置されている車両はフロントガラスに貼ってある車検ステッカーから知る限り長いものでは4年から6年ほどそのままのクルマも。
P5に現在ある6台の放置車両はいずれもホコリで覆われており、ホコリの上から指で書いたと思われる落書きがされているクルマもありました。
では、なぜ駐車場の管理者は対応をしないのでしょうか。
この件について羽田空港第5駐車場を管理する東京国際空港ターミナル株式会社に取材を申し込みましたが、「係争中につき取材はお受けできません」との回答でした。
その後、放置車両のひとつであるアベンシスには東京地方裁判所名義の「公示書」が貼られ、強制執行実施予定日が書かれていたことから今後撤去される可能性があります。
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