走り出さないクルマに「催促クラクション」は間違った使い方!? 「プップッ!」乱用が違反にも? クラクションの「正解」とは
クルマのクラクションを「催促」や「挨拶」などで使う人がいますが、本来は「危険防止」のために用いるものです。クラクションの正しい使い方と、誤った使用がもたらすリスクについて紹介します。
クラクションは「意思表示」ではなく「危険を防止するため」
青信号に変わったのに前のクルマが動かない時 、「プップッ!」とクラクションを鳴らしてしまった経験はないでしょうか。
実はやみくもにクラクションを使うと「道路交通法違反」となってしまう場合もあるといいます。
![早く動いて! 信号の切り替わりに気付かない先行車に思わず「プッ」ってしてしまったことはありませんか!?[画像はイメージです]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2024/02/20230216_klaxon_horn_001.jpg?v=1676518506)
最近は「あおり運転」によるトラブルが後を絶ちません。
そこで、2020年6月の道路交通法一部改正で「妨害運転」の定義が明示され、罰則が設けられました。クラクションを鳴らすこともそのひとつです。
ではクルマのクラクションとは、いったいどのように使えば良いのでしょうか。正しい使い方を確認していきます。
クラクションを鳴らすタイミングは、道路交通法52条1項で以下のように明示されています。
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1.左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき。
2.山地部の道路その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間における左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上を通行しようとするとき。
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つまりクラクションは、見通しの悪い交差点やカーブ、上り坂の頂上などで、対向車に自分のクルマが来ていることを知らせるものなのです。
クラクションを鳴らす場所には「警笛鳴らせ」の道路標識が設置されており、「警笛区間」の道路標識で鳴らす区間も決められています。原則、クラクションを鳴らすことができるのは、これらの道路標識がある場所のみです。
また、道路交通法54条第2項には以下のように書かれています。
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・車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。
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警笛鳴らせの標識がある場所以外では、クラクションを鳴らすことを禁止しています。しかし、危険を防止するためには鳴らしても良いのです。
では「危険を防止するためやむを得ないとき」とは、どのような場合でしょうか。
例えば追い越しの際、前方のクルマが自分のクルマに気付かず、急な進路変更をしようとした場合が該当します。これは危険を知らせる行為となり、違反にはなりません。
しかし、割り込んできたクルマに対しての抗議や、発進しない前のクルマへの促し、遅いクルマへの威嚇といった理由でクラクションを鳴らすのは違反となります。
ポイントは、クラクションを鳴らすことで「衝突や追突などの事故を防ぐことができる」かどうかです。
そもそも「警笛鳴らせ」の標識があるのは、自分のクルマの存在を知らせ、危険を防止する必要がある場所です。
標識のない場所であっても同様に、クルマの接近を知らせて命の危険を回避するためのクラクションならば、違反とはなりません。
そのほか、クルマの接近に気が付かずに道路を横断しようとしている歩行者への注意も、危険防止と言えます。
















