話題の首都高「辰巳ジャンプ台」が人気スポットに… 現状を「知る人・知らない人」の反響は? 本来の設置意図とは
減速帯よりもジャンプ台として認知される事態に! 存在知らず人は「本当に驚きました」
ところで、辰巳PAを利用するクルマの中には、ジャンプ台が設置されたことや、それがニュースやSNSで話題になっていることなどをまったく知らずに訪れるクルマもたくさん存在します。
そして、「ジャンプ台」の段差が結構な高さ(約10センチ)であることを知らず「本線に合流するのだから加速していくことが当然」と思って、加速していき、大きな段差(ジャンプ台)もその勢いのまま通過してしまい、クルマが浮き上がるほどの衝撃に驚くドライバーもいるようです。
SNSなどもまったくやっていない、60代のAさん夫婦もレンタカーのアクアで時速30kmほどでジャンプ台を通過して驚いたといいます。
「クルマを数年前に手放したことで、必要な時はレンタカーを借りています。
普段、首都高速を走ることはめったにないので辰巳第一PAに入ったのもおそらく初めてだったと思います。
トイレ休憩を終えて、駐車場から出て本線に入るので加速していきました。
ふと気づくと、路面に『段差アリ』とみえたんですが、一瞬意味が分からずそのまま速度を落とすことなく通過したら、クルマが浮き上がるような感じになって、その後『ガックン!』と大きな衝撃がありびっくりしました。
PAで缶コーヒーを買ってまだ開けていませんでしたが、紙カップのコーヒーだったら熱い液体が飛び出していたでしょう。
本線に入るのですから普通は加速するところですよね。本当に驚きました」
確かに高速道路のSA・PAから出て本線に合流する際は加速して出ていくことがルールです。
しかし、辰巳PAの場合は本線に合流(50km/h)するまで約400mの距離があるのでPA内で加速する必要はありません。
また左車線からの車線変更は禁止出て間もなく辰巳JCTのカーブも控えているのでゆっくりと安全な速度で走るのが正解です。
もちろん、ジャンプ台の存在を知ってゆっくり徐行で通過するクルマもいますし、わざとスピードを出して助手席の人が動画を撮影しているクルマもいます。
ジャンプ台の噂を聞きつけて、日に日にギャラリーが増え、週末の夜ともなると(閉鎖される日も多いのですが)ジャンプ台付近には夜中でも多くの動画撮影者が集まっています。
なぜ、ジャンプ台の存在を知らずに速度を上げて思わぬ衝撃に驚くクルマがいるのでしょうか。
その理由のひとつに、ジャンプ台の前に「徐行」や「減速」という標識がないこともあげられるでしょう。
ジャンプ台の前の路面標示には「段差あり」としか記されていないうえに、周辺に「徐行」「減速」などの表示もありません。
これはPA(駐車場)内であるため速度の表示や速度に関する指示(徐行や減速など)が出せないことが理由と考えられます。
ジャンプ台の直前にある白い△マークも警察庁が定めた基準をもとにハンプの前に設置されるもので「段差」の存在をわかりやすく表示することが目的です。
徐行や減速の指示がなくても、辰巳ジャンプ台の前では十分に減速し、徐行で走行することをお勧めします。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
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