もはや観光名所!? なぜガードレールが「目立つ色」なの? 一般的イメージは「白色」だけど… 山口県で頻繁に見かける名物とは
山口県では黄色いガードレールを見かけることがあります。ほかの都道府県では、白色のガードレールが一般的ですが、なぜ山口県は黄色いガードレールになっているのでしょうか。
視認性が高く、山口県の特産物「夏みかん」をイメージさせるために黄色にした?
ガードレールは車両が道路を逸脱せず安全に走行するために設置されていますが、その色は白色が一般的です。
しかし、なかには白色ではないガードレールが存在します。
ガードレールは、車両の道路上逸脱の防止などを目的として設置される「防護柵」のひとつとなり、凹凸のある白い鉄板のものが一般的です。
凹凸がある形状の理由としては、平坦と比べ凹凸をつけた方が約150倍ほど強度が上がるためとされており、その他に展望性が高く景観を損ねないという利点がある「ガードパイプ」や「ガードケーブル」なども存在します。
またガードレールの色については、国土交通省で「景観に配慮した道路附属物等ガイドライン」が設けられています。
ガイドラインでは「周辺景観のなかで防護柵が必要以上に目立たない色を選定することが原則である」とし、鋼製防護柵やアルミ製防護柵などのタイプや地域特性、塗装面などによって規定が異なっています。
ただし、前出のガイドラインには「良好な景観形成に配慮した防護柵の色彩は、地域の特性に応じた適切な色彩を選定することが基本」としていることから、良好な景観形成に配慮した適切な色であれば問題ないとされているようです。
そうしたなかで、山口県のガードレールは黄色のものが多くみられますが、なぜ山口県は黄色いガードレールになっているのでしょうか。
その理由について、山口県の道路整備課の担当者は以下のように話します。
「1963年に国体(国民体育大会)が実施されたタイミングで、一部のガードレールを白色から黄色に変更しました。
通常の白色のガードレールでは視認性が悪いという意見があり、それがきっかけになっています。
さらに、黄色にした理由は、緑のなかでも視認性が高いという点に加え、山口県の特産物である『夏みかん』を表現するために、黄色に変更しました」
山の緑に映えて視認性が高いことから、景観整備の一環として山口県が管理している国道の一部や県道は黄色いガードレールになっています。
また、県管理道路から市道に移管した区間などでは、引き続きそのまま黄色いガードレールを使用していることもあるため、市や町が管理している道路で黄色いガードレールを見かけることもあります。
この黄色いガードレールに対する観光客や山口県民からの反響について、担当者は以下のように話します。
「やはり一番いただくのは『黄色で目立つから分かりやすい』といった声です。
黄色いガードレールにしたのは視認性をよくするためでもありますので、そういった反響をいただけるのはありがたいです。
また、『他県からクルマで山口県まで走行すると、黄色いガードレールが目印となり、山口県にいるということがすぐ分かる』といった声もいただいています」
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このように黄色いガードレールは山口県独自のシンボルになっているほか、その他の都道府県でも白色のほかにも灰色や銀色、茶色などさまざまな色が存在し、一部地域では木製のガードレールが存在するようです。
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