運転中、対向車から「猛パッシング」されました。私何か「悪いこと」したのでしょうか。突如やられる「ライト点滅」 大事なメッセージが隠されていることも? 実際どんな意味なのか
運転中に対向車がパッシングしてきた場合、どのようなメッセージなのでしょうか。
対向車が「ピカッピカッ」どんな意味?
運転中、対向車が突如パッシングしてくることがあります。それはまさに「無言のメッセージ」。突然のことで「何か悪いことしたっけ?」と慌てることもあります。
実際にはどのようなメッセージが込められているのでしょうか。

例えば「サンキューハザード」のように、「進路を譲ってくれてありがとう」といった相手の意図が伝わる場合はいいのですが、対向車のパッシングとなると。さまざまな理由が考えられます。
それだけに、その場で状況を見極めるのはなかなか困難かもしれません。
お互いのドライバーがニュータイプであれば「この先、危険が迫ってるよ」「ありがと」みたいな思念を交わすことできるはずですが、残念ながらオールドタイプの我々にはこの方法が使えません。
それはさておき「対向車のパッシング」は、サンキューハザードなどのドライバーたちの“当たり前の習慣”に比べたら、あまり一般的とはいえません。
そして、実はドライバーごとに使い方や地域によっても違いがありそうです。よくある事例を紹介していきましょう。
まず、夜間に対向車がパッシングしてきたら、「おたくのクルマはハイビームになっていてまぶしいぞ!」といった意図を伝えてきている可能性があります。
あるいは「無灯火だぞ」と教えていることもありそうです。
いずれも、運転している本人は気づいていない場合が多く、こうして優しいドライバーが教えてくれる可能性もあるのです。
次に、「進路上で事故や災害が発生している」ことを知らせるべく、パッシングしてくることがあります。
先の見えないブラインドカーブの途中でクルマがスピンしていたり、あるいは土砂崩れになった直後で道が封鎖されていたりと、状況はさまざまです。
トラックやバス、タクシーなどのプロフェッショナルドライバー(しかも、1台だけではなく何台も)がこちらに向けてパッシングをしてきたら、「進路上に何らかのトラブルがある」と想定しておいた方がいいかもしれません。
筆者(松村透)の経験上、これらのプロドライバーは無闇やたらにパッシングをしませんし、むしろ「ここは何らかの方法で対向車に知らせないと危ない」と判断したときは躊躇なくパッシング(またはクラクションというケースがあるかも)で知らせてくれます。
一般のドライバーとは比べものにならないくらいの場数を踏んでいるプロドライバーの予測や判断は、大いにアテにしたいところです。
そして、もしかしたらこれがもっとも経験あるかもしれませんが、対向車が「この先で取り締まりをやっているから気をつけろ」という意味を込めてのパッシングです。
特に多いのが、制限速度は30km/h道路でありながら、実際には50〜60km/hくらいのペースで流れている道路、一時停止がある交差点、県道や国道の橋などです。
パッシングされたら、実際に少し先のところで「ねずみ取り」をやっていた…ということが過去に筆者もありました。
あと、これは少し意味合いが異なるかもしれませんし、地域によるのかもしれませんが、筆者が住む首都圏の郊外では「交差点を先に右折するからよろしく頼む」といった意味合いを込めて、パッシングしてくるケースがときどきあります。
こちらは直進していて「あのクルマ、右折するかも」という微妙なタイミングで「右折するよ」とパッシングしてもらえると、相手の意図が伝わってくるので助かるケースもあります。
その反対に、こちらが右折するのに右ウインカーを出していて、対向の直進車がパッシングしてくれたら、それは「先に右折してもいいよ」という合図です。
これについては、まさに「察しと思いやり」の世界ではありますが、相手に意図が伝わりにくい使い方でもあるので、少し意味を取り違えると重大な事故になる場合もあり、安易に受け取らず慎重に対処することが望まれます。
むしろ危険を感じた場合には、大事をとって無理に動いたりしないほうが良いでしょう。
「ライトのオンオフ」というシンプルな動作だけに、都度状況や相手の伝えたいことを見極めて、慎重に運転したいものです。
Writer: 松村透
株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。


















































